三条市議会 河川改修 移転理解得られる
嵐北で発生してもおかしくなかった
 新潟県三条市議会は、9月17日午前10時から、9月定例会の本会議を開き、市政に対する一般質問で、和田武、阿部銀次郎、金子恒夫の3市議が登壇し、五十嵐川の改修をはじめ、7・13水害について、高橋一夫市長の考えを質した。この日発言予定だった相田芳枝市議は、病欠のため、発言を辞退した。

〜越水でも破れない堤防を〜

和田市議
阿部市議
金子市議
 河川改修については、和田市議が、過去の市の対応について「五十嵐川は、明治から平成まで31回、増水、洪水に見舞われている危険河川。過去の議事録では、平成7年から15年まで改修について、市議会で20回も取り上げられている。どうして改修計画が示されなかったのか。また、高橋市長は施政方針で、長期的な視点で市民の理解を、としているが、これを将来の問題と捉えていたのか。市民の理解を得るというのは、賛成という意味だったのか」と質問。

 高橋市長は「平成6年度から16年度までの間、流下能力やケーススタディの作成、浸水想定区域図の作成などを行っており、現在は、河川改修を現実的なものとして国と協議中。また再発防止に向け、ダム効果や破堤のメカニズムを検証中であり、その結果により対策が講じられると思う。市民の理解については、残念ながら今まではダム神話ができあがり、移転の合意が得られない中で、今後改修に取組まなければと考えていた」と答えた。

 また和田市議は、今後の河川改修について「7・13水害の五十嵐川の流下量は調査中とのことだが、昭和53年の水害は、1170立方メートルだった。今回は、これを上回るか下回るか。昭和42年の加茂川水害では、2カ月後に計画ができている。五十嵐川は5カ月後となる。もっと、早く計画を提示してもらうべく県に要望すべき。改修には、数百戸が転居させられるが、転居は勧告となるのか」と質問。

 高橋市長は「できるだけ早く計画をとお願いしている。たまたま、今回は嵐南が被災したが、嵐北で発生してもおかしくない状況だった。今のところから移転してもらわなければならない。現実に被害が出ている中、理解してもらえると思っている。また、万が一、越水しても破堤しない堤防をとも要望している」と答えた。

 佐藤和夫助役は「流量は、県の調査委員会で明らかになると思うが、水量については、昭和53年の水害を上回っていたのではと考えられる」とした。

 阿部市議は、県が現段階で示している改修で、川幅を100メートルから110メートルに拡幅することについて「狭いのでは、加茂川は150メートルに拡幅している。110メートルだと堤防高をかさ上げするべきだと思うが、橋はすべて昭栄大橋のようにする必要があると思うが、商店街、市道はどうなるのか。加茂川水害の移転では、64.6ヘクタールの用地を確保し、398区画、33.5ヘクタールの代替地を確保している。今までの答弁を聞いていると、県の計画が示されてからとのことだが、素案が示された後に、市の思うようにしてもらえるのだろうか。市としても設計を進めるべきでは」と質問。

 高橋市長は「県に助役を差し向けて、意見交換をしており、私どもの意見を反映できるようにしている」と答えた。

 佐藤助役は「今後、どの程度の水量を流すかが積算され、川幅とかさ上げが決まってくる。今後、橋の問題も出てくるが、すべての橋となると渡瀬橋から河口まで、八橋ある。うち、県の管理が3つ、あと5つが市の管理となる。これらすべてが、国の経費でできるわけではなく、市の負担もある。財政面でも検討しなければならないし、信濃川の改修ともかかわってくる。信濃川については、国と県が協議中で、その後、計画全体が決まってくる」と答えた。

 金子市議は「平成8年に、県土木事務所が、五十嵐川は林町1、田島1の右岸100メートル、北新保の左岸200メートル、諏訪新田の左岸700メートルの計1000メートルが、決壊危険カ所と警告している。この県の警告が現実となった。再び、このようなことが起こらないように、地権者の理解を得て、取組んでほしい」としたほか、「今、渡瀬橋附近の堤防は一方通行で自動車が通れないが、改修後は、増水時の状況が見えるように、自動車が通行可能にしてはどうだろうか。今回の水害では、堤防のど真ん中から水が出ていたり、月の輪工法で水を防いだりしている。今の堤防の完工は、昭和10年から11年で、当時、土が足りずに、砂利を詰めていたという話もある。よく調査することも将来に向けて大切では」とも発言した。

 高橋市長は「2度と水害が起こらないように、地権者の協力により、改修を進めたい。堤防については、私も、越水しても壊れない堤防であれば、と要望している」と答えた。

〜1人が亡くなった 緊急通報装置所持のお年寄り〜

 一人暮らしの高齢者など、災害弱者に対する避難勧告の周知については、和田市議が「市では、高齢福祉電話、緊急通報装置を配布しているが、亡くなったお年寄り6人は入っていたのか。また、水防計画があり、災害弱者への対応もまとめたマニュアルもあった。どの程度生かされたのか」と質問。

 高橋市長は「マニュアルについては、今まで震災に対する練習はしていたが、やはり、水についても常に練習していなければならなかった。それが、マニュアルを生かせなかったことだと思う」と答えた。

 岡田和子健康福祉課長は「緊急通報装置は、被災地域で76人に配布していた。うち、1人のみが利用して救助されている。また、配布しているうち、1人が亡くなったという状況」とした。

 金子市議は「広報車での周知は不十分であると分かった。災害発生直後には、30数台のヘリコプターが活動していたが、上空からの広報はできないのか。防災有線放送の設置も一考を要すると思うが」と質問。

 高橋市長は「ヘリコプターについては、これから検討してみたい。無線システムについては、合併3市町村で検討に入っている」と答えた。   
                                                (重藤)