仕入れ・販売とも海外低く
燕市初の卸売業実態調査
新潟県燕市は、市内の卸売業者の実態、企業者の施策ニーズを把握しようと、市内卸売業者266件を対象に「燕市卸売業実態調査」を実施し、このほど調査報告書を取りまとめた。
この調査は、県の行う緊急雇用対策事業の一環として行われたもの。(株)ホクギン経済研究所に委託、7月1日を基準日として調査員が、事業所の概要、設備、業績動向、取引関係、事業推進上の問題点、市の産業振興施策など、8項目の調査票を配布。聞き取り調査も含めて調査した。回収率は234件、88%。
報告書によると、市内卸売業者の取扱商品は「金物(金属洋食器、金属器物など)」が130件、55.6%と最も多く、次いで「鉱物・金属材料(鉄鋼粗製品、鉄鋼1次製品)」が21件、9.0%、「一般機械器具」が19件、8.1%、「再生資源(空瓶・空缶等空容器、鉄スクラップなど)」が16件、6.8%などとなっている。
〜事業形態〜
事業形態についてでは、有効回答数227件のうち、「卸売業のみ」と回答した事業所が最も多く、163件、71.8%、卸売業と小売業が28件、12.3%、卸売業と製造業が27件、11.9%など。本店・支店の別では有効回答数229件のうち、本店支店の関係ない単独事業所が186件、81.2%と圧倒的だった。
従業員数では、有効回答数226件中、3人までの事業所が120件、53.1%、4人から9人の事業所が55件、24.3%、10人から19人の事業所は25件、11.1%、20人から49人が14件、6.2%、50人以上が12件、5.3%で、従業員数9人以下の事業所が77.4%を占める。
取扱商品別では、研磨材料等、電気機械器具で3人までの事業所が100%、再生資源で66.7%と割合が高かった。
創業年次については、有効回答数216件中、昭和58年以前が151件、69.9%、昭和59年から63年が28件、13.0%、平成元年から5年が19件、8.8%、平成6年から10年が10件、4.6%、平成11年以降が8件、3.7%と、平成6年以降の創業が極端に少ない。
〜事業所の強み弱み〜
事業所の強みについては、有効回答数209件中、「短納期」と答えた事業所が103件、49.3%で最も多く、次いで「品揃え」が80件、38.3%、「固定客が多い」と答えた事業所が70件、33.5%、「価格が安い」と答えた事業所が55件、26.3%、「品質管理」が48件、23.0%、「製品開発」が47件、22.5%、「営業力」とした事業所が42件、20.1%などとなっている。
反対に弱みについては、有効回答数206件中、「競合する企業が多い」が118件、57.3%と最も多く、「営業力」が84件、40.8%、「製品開発」が53件、25.7%、「知名度が低い」が52件、25.2%、「固定客が少ない」が42件、20.4%と続く。
業績動向については、ここ1年から2年の売上高で、有効回答数230件中、「増加した」と答えた事業所は36件、15.7%、「横ばい」が72件、31.3%、「減少した」と答えた事業所は半数以上の122件、53.0%。取扱商品別では「増加した」と答えた事業所は、再生資源、鉱物・金属材料、一般機械器具・電気機械器具で30%を超え、「減少した」と答えた事業所は、研磨材料等で100%、金物で65.9%と割合が高く、業態別で「減少した」と答えた企業は、「卸売業と小売業等」で57.1%、「卸売業のみ」で53.8%と半数を超えた。
〜事業活動の展望〜
取引関係では複数回答で、仕入れ先を燕市内とした企業が117件、新潟県内が147件、関東が119件、関西が85件、海外ではアジアが最も多く35件。一方、販売先については燕市内が154件、新潟県内が156件、関東が130件、関西が93件、海外ではアジアが12件、アメリカが6件、ヨーロッパが4件だった。
事業活動上の問題点の項目では、2つまでの複数回答で有効回答数217件中、「売上げの伸び悩み」とした事業所が155件、「人材等の確保」が51件、「資金調達」が45件、「情報収集力」が35件など。今後の経営方針では有効回答数213件中、「現状維持」とした事業所が120件、56.3%、次いで「規模拡大」が50件、23.5%、「規模縮小」と答えた事業所は9件、4.2%、「廃業」とした事業所が9件、4.2%あった。
経営戦略については、複数回答で「新市場開拓」が最も多く、次いで「新商品の開発」、「高付加価値化・高価格化」、「営業部門の強化」、「品揃えの充実」、「新事業分野の開拓」など、新たな事業展開とする企業が多かった。
後継者問題では、「後継者がいる」とした事業所が80件、38.8%、「後継者がいない」とした事業所が59件、28.6%、「後継者が決まっていない」とした企業が67件、32.5%あった。
市の産業振興策として強化するべき施策については、複数回答で、「新商品開発能力の強化や高付加価値等を推進するための技術支援事業」を望む声がもっとも多く、次いで「企業の営業活動を支援する事業」、「公共融資制度」などが続いた。また、具体的提案として「公的融資制度の簡略化」、「工場(倉庫等)建設融資制度の創設」、「新商品開発に伴う技術の支援窓口の設置」、「大規模見本市への市としての団体出展」などがあった。
自由筆記による市への要望では、助成制度のPR、市による産地企業のインターネット販売などで、困っていることでは、ステンレス原料の値上がり、金融機関からの資金調達難などが挙げられていた。
(外山)
