116拠点に観光、住環境
小林清分水町長に聞く
 新潟県の小林清分水町長は、歴史的つながりの強い吉田町、燕市との枠組みを「理想的」と評価。産業立市の新市にあって分水町を「豊かな住環境を提供する地域に」と位置付けている。

現在の重点施策について

町長―当町は農業が基幹産業。水田農業ビジョン、生産調整問題など、将来の展望に沿った営農プランを地域の皆様から参画していただき策定すること、県営大舗場整備も吉田町と並行して進めており、熊ノ森地区の基盤整備に昨年から着手している。また大河津分水路の町として、昭和57年の出水災害を契機にした大改修計画がある。土地を取られ、町内に大変な構築物を持つことはデメリットが先行していたが、おいらん道中など河川空間を生かしたイベントを通してともに歩んでいる。平成16年から可動堰の堰下河道掘削工事に合わせ、町制施行50周年を節目に、活性化へ町民の参加を願っている。桜並木が植え替え時期になるため、桜を守る会のNPO法人化などを地域活性化につなげたい。可動堰大改修は、あと30年は続く見込み。残土対策など国家プロジェクトとして国、県、寺泊町とも連携が必要となる。

 急速な高齢化への対応も重点施策。順調に進んでいる民間福祉法人の内容総点検や、昨年オープンした児童館運営を含め、働く母親の支援、保育充実を基にした、児童福祉、子育て支援も視野に入れている。

 産業については、団地造成によって企業を誘致する時代ではない。町内企業の90%近くが三条市、燕市、吉田町などの企業の下請け。財政支援、行政、商工団体と一体となった経営支援で今まで通り対応する。町内では大企業を中心に景気が上向いている。
  
合併までのまちづくりは

町長―町で策定する改革大綱に基づいて地域を活性化する、地域の実態にあった大綱を作りたい。

 さらに第6次総合開発計画を新市のまちづくりにも継承する。産業を特徴とする2市町に対し、分水町は良寛の国上山など歴史や文化に特徴がある。道の駅「国上」、交流センターを結んだ拠点、大河津分水の堤防公園と地域交流の拠点づくりも重要。

3市町での合併に期待する点は

町長―合併に関しては、当初、県が示した4町村の枠組に、懸案事項であった吉田町との合併を望む声があり、吉田町に要請し5町村となった。

 複雑な昭和の合併の問題もあり、1つの村を割った当時の住民投票の解決を金子勝前吉田町長と堅く約束した。佐善・溝古新地区には50年の思いがある。吉田町とは強い結びつきがある。

 幸い現在の枠組みに住民の理解も得ており、燕、吉田ともに隣接する理想的枠組み。面積はコンパクトだが、3つとも違った顔を持つ合併、工業製品出荷額を見ても3市町を合わせると県内3位、8万4000人の新市で200億円規模の予算となって新しい展開へ進める。地場産業集積を強みに、世界をリードする工場も存在し工業立市に。

 観光面でも、弥彦、寺泊、岩室、新潟市と新市を取巻く観光地と連携したPR効果に期待する。県内外からの集客、交流人口の拡大につなげたい。
 
新市となった分水地区の展望は

町長―国道116号線、8号線、高速道路を結ぶ289号線など、急速に吉田町との接点が進んでいる。新市は3市町がトライアングルの形で集積する。116号線巻バイパスの次は、吉田と分水をつなぐ吉田バイパスが通る。分水町内の116号線の4車線化も要望している。将来を考えると、流通センターや工場、大型店が集積する大切な新市の心臓部は見えて来る。現在、元川橋を通って中之島ICに抜ける交通量も多く、高速道路の栄町パーキングをインターチェンジとし、分水町まで直結できるようにしてほしい。福島県から下田村に抜ける八十里越えから日本海に抜ける国道289号線の計画もある。

 分水町は、新市の心臓部に良好なアクセス条件を持ちながら、山、川に恵まれた豊かな住環境が共存できる地区としたい。