B to B サイトで契約3億円
三条工業会「越後ものづくりネットワーク」の成果
 新潟県の(協)三条工業会(斎藤弘文理事長・会員506社)が、同会ホームページ上で運営するBtoBサイト「越後ものづくりネットワーク」を立ち上げて、1月26日で1年を迎える。

 1年間で、引き合い270件、契約31件、契約金額3億円に達した。うち、1件で2億5000万円の契約を成立させ、12の地元業者が関わって成功させるなどの成果を上げている。

 BtoBサイトとは、インターネット上で業者間取引を行う架空取引市場。

 三条工業会では、1つの受注に対して、登録した複数の会員企業が仕事をこなす仕組みとして、サイトを立ち上げ販路の拡大を目指している。

 25日午後3時半から報道機関向けに開催した成果発表会で、斎藤理事長は「1社だけで『俺が、俺が』だけでは通じなくなる。輪になって足りない部分を補っていかなければ。1年間で鍛造、機械加工などで多くの人が関われることを示すことができた」と成果をPRした。

 越後ものづくりネットワークは、三条市を通して、国のeまちづくり事業として採択を受け、1620万円の補助金を得て構築した。同事業は「住民に目に見えるかたちでITを活用した地域情報化のモデル事業を全国展開する」ことを目的に、事業費の100%を交付するもの。

 昨年の1月26日にオープン。サイト上に会員企業情報を公開し、閲覧した受注見積もりの依頼を出すと、メールアドレスを登録した会員企業に通知され、参加できる会員企業が手を挙げ、工業会事務局がマッチングする。

1万個製造した「鉄人」 「金属加工は三条」という意識を持ってはいるが個々の企業の情報を持っていない依頼主にPRできる場となっている。

 また、大容量転送システムも備え、図面、詳細資料などのデータの転送がスムーズに行える。英文バージョンも備え、海外からの引き合いにも対応。

 工業会の内部では、会員間の交流、情報共有にも活用されている。

 1年間での契約31件、契約金額3億円の実績を上げているが、うち1件で2億5000万円の契約を工業会では大きな成果として捉えている。

 製造した製品は、ビル建設に用いる機材の販売・リースを手がけている東京都の三伸機材(株)が、リースしている鉄骨を支える治具「鉄人」。ビル建設時に縦に鉄骨をつなげる際、つなぎ目に取り付けて垂直に保つ器具。

 この製造依頼を、大阪府にある鉄鋼商社の(株)メタルワンが発注元になって、越後ものづくりネットワークに製造を依頼。

 「最初は鍛造の依頼だったが、機械加工もできる、焼き入れ、表面処理もできるということでまとめて受けることになった」と評価され、最終的に、斎藤理事長の経営するシマト工業(株)がまとめ役として引き受け、会員企業各社が分担して、「鉄人」1万個を製造している。

 工業会では、開設2年目のことしは、昨年の成果をもとに、1000件の引き合いを目指している。

 また、ホームページ上で会員企業の製品を販売する逸品館の充実にも努める方針で、取り扱う製品の幅を広げて、100種類以上の品揃えを目指す。

 一方で課題もある。斎藤理事長は「サイトを介した契約などをカウントできない。維持費がかかるので利用者負担を求めたいが、確認できないためサービスしっぱなしになってしまう」と上げたほか、会員企業の間でもネット利用について温度差があるという。

 また、この日の発表会に出席していた高橋一夫三条市長は「時間、地理的な制約を受けないインターネットの活用は、中小都市でこそ実感できるもの。このサイトは情報化を目に見えるかたちにしたケース」と期待していた。  
                                                (重藤)
 http://www.sanjo-kogyokai.or.jp/