三条市 五十嵐川改修で詳細計画
信濃川合流点も説明 「護岸強固に」要望相次ぐ
常盤橋の取付道路関連の計画図 新潟県三条市は、1月20日午前10時からの市議会五十嵐川改修事業等調査特別委員会(原茂之委員長)で、五十嵐川改修事業の詳細な計画を示した。

 合わせて、信濃川との合流点や、これまで示されていなかった渡瀬橋より上流部の計画も説明されたが、各市議は「改修が完成する5年までの間、また水害があるかもしれない」という趣旨で、信濃川の護岸をさらに強固にすべきと強く求めていた。

 五十嵐川の改修は、昨年11月末に2500分の1の図面を基に計画の概要を市議会、移転関係者に説明。ことしに入ってから、より詳細な計画図である500分の1の図面が完成し、この日から市議会、家屋移転対象者への説明に入っているもの。

 計画では、渡瀬橋から下流4キロで築堤、川幅の拡幅などを行い、340戸が移転対象になっている。

 堤防の厚さは、河川整備基準によって、信濃川の流れの影響を受ける常盤橋までが7メートル。常盤橋から上流が5メートルとしており、上部は舗装して、自動車の通行も可能にする方向。

 この日の説明では、築堤に関して、新堤防の肩口から20%の勾配で法面をとり、堤防下に2、3メートルの排水路を設置するため、その分でも用地買収を行うことが明らかにされた。

 堤防から、加茂川の河川公園などの場所にあたる高水敷に乗り入れる道路も7箇所設置。現段階で設計を終えている箇所として、上流、中流、下流に1カ所づつ。渡瀬橋下流左岸に1カ所を取り付ける。

 架け替える橋は、これまでに上流側から一新橋、常盤橋、御蔵橋、嵐川橋の4橋としており、この日は、道路幅員や、設計スケジュールが示された。

 4橋のうち、常盤橋については、県道長岡見附三条線に架かる橋で、県が橋を架け替えるとともに道路拡幅を行う。本町通から北四日町集会場までの間を広げるため、道路両側で移転家屋が多く出る。

 現在7メートルの幅員を橋の幅を14メートルに広げ、道路部分は15メートルとする計画。

 整備する期間は、平成18年度から25年度まで。嵐北側の堤防道路から、北四日町集会場のある嵐南市道交差点までを第1期工事として、河川改修と合わせて実施。その後、嵐北側の堤防道路から本町通りとの交差点までを整備する。

 質疑では、稲田豊秋委員の「常盤橋は、現在よりも高くなるわけだが、昭栄大橋のように下をくぐるようになるのか。今の道路より何センチ高くなるか」との質問に、今井國雄建設部長は「新堤防で高さが70センチ上がる。常盤橋の設計はこれから行われるのだが、1メートル50センチほど上がるので、合計で2メートル近くになる。市道の取り付けは可能であり、基本的に平面交差と考えている」と答えた。

 また、稲田委員は、道路沿いの商店への補償について「道路の両方4メートルづつが移転対象にかかるわけだが、店舗などで営業がなりたたなくなった場合、営業補償はあるのか」と質問。

 今井建設部長は「営業補償も家屋補償と一緒に調査していきたい。個々によって収入が違うので、個別に対応したい」と答えた。

 市道橋である一新橋、御蔵橋、嵐川橋についても幅員や、設計スケジュールが示された。

 一新橋は、現在の幅員が、車道6メートル、歩道2メートルの8メートルから、車道を7メートルに拡幅し、幅員9メートルとする。

 御蔵橋は、現在の幅員9メートルのまま架け替える予定。

 嵐川橋は、現在の幅員が車道のみで7メートル。架け替え後は、歩道2メートル分を拡幅して幅員9メートルとする。

 市道橋の設計スケジュールは、橋梁予備設計を2月上旬から4月中旬に掛けて実施、詳細設計を8月まで行う。

 設計などに伴い、現在、詳細が明らかになっていない橋のたもとの市道取り付け部分についても設計が示され、移転家屋が増えるほか、今後、設計を進める新設の排水ポンプ場について、移転対象者が増える。

 今後、堤防乗入れの関係者への説明会を3月下旬、一新橋、御蔵橋、嵐川橋、市道取り付け、排水ポンプ場の関係者への説明会を5月下旬に開催する予定。

 市道橋のうち、嵐川橋が架け替えで幅員9メートルになることについて、山本春男委員は「橋の幅は9メートルになるが、本町通りとの交差点は狭い。右折車がいると直進車が通れないのが現状。この際、拡幅工事を行っては」と質問。

 今井建設部長は「災害復旧事業であり、原型復旧が基本なので現在の道路をかさ上げする。議員のおっしゃる通りに実施すると、市の単独事業になってしまう。また、都市街路事業として補助金を得た場合、まちの景観がまったく変わってしまうし、かさ上げの方が事業効果として、コスト面で有利にできる」とした。

 また、阿部銀次郎委員は「流れを阻害する橋脚は少ないほうがよい。橋脚の数は具体化しているのか。一新橋より上流にあるJR橋についてはどうか」と質問。

 今井建設部長は「御蔵橋は、橋台は取り壊すが現在の橋脚を用いる。他の橋の橋脚は御蔵橋と同程度になる」と答えた。

 土田壮一五十嵐川改修対策室長は「JR橋は改修の予定には入っていない。十分に川幅があるということだった」とした。

移転交渉は5月から

 移転対象者の代替地については、この日夜から開いている説明会でアンケート調査を実施し、1月末までに移転したい場所、土地の希望購入坪単価の意向を調べる。

 また、今月末から代替地調査の検討に入るほか、移転家屋の調査も行う。

 移転交渉は5月から入る予定で、個別に交渉を進めていく。

 稲田委員は「土地を求めて新築する人もいると思うが、高齢で、家を建てず、アパート暮らしという人も出てくるだろう。補償費をもらっても家を建てられない人への対応は。協力できないという人が出てくることが心配。市民の心配は今後水害が再び来ること。ぜひ、スムーズに行くように交渉してほしい」と質問。

 佐藤和夫助役は「これから、移転の具体的な話が出てくる。きょうからより具体的な説明に入る。個々によって事情が異なってくるのだが、どうしても協力を得て事業を完遂しなければならない。十分に相談して、円満解決を目指し、県も含めて努力したい」と答えた。

 また、西沢慶一委員は「11月末の移転関係者への説明会では、水害の原因を説明してほしいという声が出ている」として、五十嵐川の破堤原因などを調査している7・13新潟豪雨洪水災害調査委員会の最終的な会合が2月2日に開かれ、検討結果が出される見込みであることを取り上げた。

 西沢委員は「その結果によっては、今進めている改修計画で正しいかどうかということはあるのか」と計画変更の可能性を指摘。

 今井建設部長は「2月2日の結果を受けて工法が変わる可能性はあると思う。しかし、堤防などは河川整備基準に沿っているので基本は変わらない。ブロックの部分を矢板にするなどの中身の変更はありうる」と答えた。

 さらに西沢委員は「改修を進めるうえで市民の合意形成を進めないと、反対も出てくるだろう。高齢者が建物を建てるのが難しいということもあるし、営業補償といっても生涯のものではない。そして、5月1日に合併するわけだが、その時も反対が多かった場合、市長は責任を持って進めるのか」と、遠まわしに市長の進退を質問。

 高橋一夫市長は「これから、土地の値段がどうなるか、補償がどうなるか決まっていく。その後、個別にあたって検討したい」と答えたが、西沢市議は納得せず「市長の任期が4月末で切れる。どう対応するのか。今の進め方だと心配」と再度質問。

 高橋市長は「ちょっと意味がわかりません」とごく短く答弁。

 その後、「はっきり聞けばいい」などのやじに励まされてか、西沢委員は「あなたの任期が切れるので、反対があったら、後始末はどうつけるのか」と迫ったが、高橋市長は「任期まで一生懸命にがんばっていきたいです」と明言しなかった。
 
上流も全面的に強化を

 また、渡瀬橋から上流の改修については、災害関連事業として国の事業採択を受けたことを報告。平成18年度までの3年間で実施する。事業費は約26億円。

 三条市分の漏水対策、堤防強化を行う個所については、右岸側で渡瀬橋から日本ハム付近まで約2キロの区間と、篭場の第2水源地から下流約110メートルの区間。左岸側では、渡瀬橋から西大崎西本成寺線の突き当たり付近までの約590メートルと月岡の新斎場建設地付近の約460メートル。

 斎場建設地付近の堤防強化では、県が堤内地側の農地と斎場建設地の一部を買収し、堤防に腹付けを計画している。

 工法など、詳細の設計はこれから行う。

 質疑では、相田邦夫委員が「上流は、全面的に行わず部分的。常識的に見て、一部分を強化すれば、強化していない部分に水圧がかかることになるが」と全面的な強化を要望。

 今井建設部長は「基本的に復旧事業であり、被害を受けたところを補修するのだが、委員のおっしゃられたことを県にお願いしていきたい」と答えた。

信濃川 護岸をさらに

 五十嵐川と信濃川の合流点付近の改修計画として、五十嵐川から信濃川に流れる水の方向を変える計画も示された。

 信濃川の改修は、五十嵐川や刈谷田川の改修によって、流れ込む水の量が増えるため、合わせて国が改修するもの。

 五十嵐川との合流点付近では、右岸側で瑞雲橋たもとの土砂を掘削するほか、六ノ町公園の護岸を復旧。左岸側では、瑞雲橋たもとの護岸を復旧するほか、少し上流側の河道を掘削。

 また、五十嵐川との合流点付近の砂洲も取り除く。

 五十嵐川からの水の流れを変更する手法は、五十嵐川吐き出し口の左岸側に、導流堤工事を行う。

 現在の流れは、吐き出し口から、そのまま信濃川の左岸にあたって下流に流れており、7・13水害では、今回復旧工事の対象となっている瑞雲橋たもとの護岸が崩れている。

 導流堤工事後は、信濃川の中央になる。

 しかし、導流堤の完成は5年後、そのため多くの市議が「完成するまではどうするのか」との趣旨で、理事者を追求した。

 相田委員が「もう少し対岸の護岸する部分を下げたほうがよいのでは」との質問に、今井建設部長は「護岸は現況の場所を復旧する。流れが変わるのは河道を造り替えた時。4年間は、護岸に水があたることになるが、川幅を広げるので、流速は落ちる」と答えた。

 相田市議は、答弁に納得せず、間をおいて再度質問し「ぜひとも変更してほしい。駄目なら政治を動かせっ」と強行に主張した。

 角田正明委員は「導流堤が完成すればよいのだろうが、完成するまでの間はどうなるのか。増水すると、信濃川の流れを二分するように水が流れる。やはり護岸の幅を広げてほしい」と質問。

 今井建設部長は「中洲や六ノ町公園側の掘削は、国土交通省が3月に発注をかけると聞いており、その効果で今までよりは水の流れを軽減できると思っている」とした。

 そのほかに、西川重則委員が「市街地で工事が始まることになる。1日にどれくらいの工事車両が通るか把握、説明し、産業活動に影響を与えないようにしてほしい」と求めた。
      
                                                (重藤)