健全な企業なくして地域の発展なし
辛坊さんの講演も 加茂商議所新年の集い
新潟県の加茂商工会議所(阿部大爾会頭)は、1月11日午後2時半から、加茂市産業センター大ホールで、第29回新年会員事業所の集いを開催。新春講演会では、読売テレビ報道局解説委員の辛坊治郎さんが、「報道の現場から〜テレビのウラ・オモテを語る」のテーマで話した。
この日は来賓が69人、一般会員が180人の計249人が出席した。
年頭挨拶で、阿部会頭は「昨年は7・13水害、台風、地震と立て続けに自然災害に見舞われた。被災された方の1日も早い復興を願う。災い転じて福となし、今年こそいい年になるように」と願いを込めた。
景気動向に触れ、「日本商工会議所の山口会頭は、『健全な中小企業なくして健全な国の発展はない』と言っている。加茂の場合は『健全な地域企業なくして健全な地域の発展はない』と思っている」とし、「加茂の業種全体に停滞感がある。ここ2年間、地元買物運動と加茂の産業はどのようなビジョンを持つべきかについて取り組んできた。地元買物運動では、68カ店が参加、かもっ子割引クーポン券はかなり好評だった。これがきっかけになればと思う。ビジョンもまとめに入っている。どういう方向にいくのか、まちづくりについても産業の発展に結び付けたい。加茂商工会議所は、商工業の発展により市のバランスのとれた発展を担いたいと思っている」と述べた。
来賓を代表し、小池清彦加茂市長、金谷国彦県議、菊田真紀子代議士が祝辞を述べた。同会議所が来賓として代議士を呼ぶのは、今回が初めて。
菊田代議士は、加茂市の経済状況について「皆さん、血のにじむような努力をしているが、実態は希望が持てる企業は少ない。全国で99%以上を中小企業が占めているのに、政府の中小企業に対する取り組みは手薄。大手だけ良くなっても、バランスの取れたものではない。もっと政策的な支援をしなければ」とし、今後も国会で訴えたいとした。また昨年、楽天やライブドアなどITを駆使した30代の若手経営者が活躍した反面、まったく働く気のないニートと呼ばれる若者が国内に5万人いることに触れ、「勝ち組、負け組の二極分化している。このような二極分化の社会ではなく、公平、公正にチャンスが与えられるべきだ。そのためには真に公平なルールをつくるべき」と持論を述べた。
決意表明では、加茂商工会議所青年部の有本俊明副会長が「企業経営の原点を見直し、経営革新に果敢にチャレンジして、企業の繁栄と共に地域の発展に向け努力しよう」「伝統と産業、観光が調和する誇りある加茂をさらに将来に夢と希望を持てる街にするため、みんなで考えて行動しよう」と読み上げた。
新春講演会では、辛坊さんが「情報の中には、事実だけど真実ではなく、全体のある部分の情報の事実だけしか伝えていないことがある。その向こうの真実を見抜き、正しい判断をしてほしい」と話した。
辛坊さんは、昭和31年、大阪府生まれ。早稲田大学法学部卒業後、昭和55年読売テレビに入社し、キャスターやリポーターを歴任。現在は、日本テレビ系で放送中の「ズームイン!!SUPER」に出演するほか、芦屋大学客員教授として教壇に立つなど、幅広く活躍している。
辛坊さんは、「皆さんのような人たちの前で経営とは、人生とはと話すのは恥ずかしいが、瞬間瞬間の判断の積み重ね。それによって今がある。小さな判断、大きな判断、いろいろある。例えば空を見上げ、今日傘を持って行くかどうか。間違えれば、帰る時に雨や雪に降られるか、邪魔な傘を持ち、もしかしたらどこかに置き忘れるかもしれない。こういう小さな判断ミスも積み重なれば大きくなる」と話した。
例え話として、読売テレビの某キャスターが、ニュースの最後で、天気について1週間前の原稿を見て「明日からの週末は見事な秋晴れ」と言ってしまい、実際は雨になり、苦情の電話が殺到、上司などが責任を取らされたことを挙げ、「自分が聞いた情報が、真実をうつしたものかどうか。嘘じゃないけど真実ではないものもある」と注意を促した。
郵政民営化について、「小泉総理は、角福戦争で親分の福田さんが敗れ、田中角栄が総理になった。ここで第一の怨念が生まれた。第二の怨念は、郵政大臣になった時。官僚は何も言うことは聞かないし、大切な情報は旧竹下派、旧橋本派の経世会に流れる。この時に、総理になったらここから潰そうと思ったはず。1月に靖国参拝しなかったのは、民営化する前に足元をすくわれないため。私の予想では、公約を1つ守り、8月15日に靖国参拝し、自爆する覚悟では」と見解を述べた。
また、「今は裏情報に重要な話はない。大切な情報は表にある。丹念に拾えば大もうけできる」とし、りそな銀行と足利銀行の公的資金導入時の話を例に説明した。「大切な情報は、メーンストリートではなく、少し入った脇道にある。新聞なら経済面のベタ記事、後ろから4ページ目くらいの第3社会面にあることが多い。読ませたくないけど、載せないと偏向したように思われるから載せようという意図。こっそり、ひっそり出ているものに宝の山がある」とアドバイス。
辛坊さんは、「物事を判断する時、99・99%は自分の判断だが、もしかすると0.01%は、大量に送りつけられている情報による潜在意識で判断させられているかもしれない。朝日新聞を読んでいる人は、週に1回は読売新聞を読んでみればいい。1部130円と安いもの。いつも読売新聞を読んでいるという人も、週に1回は朝日新聞を読んでみればいい。無理に買わなくても、その辺に落ちているもので十分。社説やコラムが違うのは当然だが、同じ事件記事でも、これほど違うのかと驚くはず。2つの情報を見て、真実が分かる。いつもNHKばかり見ている人は、テレビ新潟を」と言うと、会場からは笑いが起きた。
最後に景気について、「今年は60年に1回の乙酉。乙酉は末尾に5がつく。悲観する声もあるが、1900年以降、アメリカは末尾が5の年で株価が下がったことはない。アメリカが下がらない限り、日本も下がらない。そしてみんなが日本の景気がよくなると確信した時に、景気がよくなる」と締めくくった。
(廣川)