原材料価格上昇で収益厳しく
さんしん経済研究所11月動向
新潟県の三条信用金庫のさんしん地域経済研究所によると、平成16年11月の三条・燕地区産業経済動向は、国内景気の減速感がある中、好調な受注を背景に輸出関連の生産活動が順調で、そこに自然災害要因も加わり、建築金具類の生産活動も堅調に推移しているが、依然として鉄鋼・石油製品の価格上昇と品薄感は根強く、製品価格への転嫁は難しいため、収益面への影響を懸念しているとする。
主な業種別では、金物卸売業が、災害の影響で、アウトドア用品や防災関連用品、建築金具類が好調。一部包丁などの利器工匠具類にも製品価格転嫁前の駆け込み受注があるものの、冬物商品は低調。売上高は前年同月比で最低が15%減、平均が2%増、最高が25%増だった。
利器工匠具製造業は、果樹、園芸用鋏はシーズンオフで鈍く、調理用刃物類も年末の需要期に入ったものの低調。その反面、災害復旧などで一部大工道具類や、値上がり前の駆け込み受注で動きがある。売上高は前年同月比で最低が23%減、平均が0%、最高が43%増。
プレス加工業は、災害により建築金具全般で好調だが、一部マンション向けの建築金具に一服感がある。自動車・建設機械部品や小ロットの精密機器部品は安定しているが、原材料価格上昇と一部材料の品不足で収益性は厳しい。売上高は前年同月比で最低が27%、平均が2%増、最高が28%増。
金属洋食器製造業は、輸出は全体的に低調だが、一部中近東、米国向けは動いている。国内は販促用の引き合いはあるが、海外製品の販売攻勢で価格面が折り合わず苦戦。原材料価格の上昇を製品価格に転嫁できず、収益性は厳しい。売上高は前年同月比で最低が15%減、平均が0%、最高が13%増。
金属ハウスウェア製造業は、海外製品の販売攻勢で苦戦が続く。長年培った加工技術で、大手メーカーの要請に対応した生産活動と受注対応に向けた動きも見られる。売上高は前年同月比で最低が8%減、平均が1%減、最高が3%増。
作業工具製造業は、輸出は東南アジアをはじめ総じて堅調。国内は、自動車、建設機械、産業用機械用搭載工具は安定だが、原材料価格上昇の製品価格への転嫁は企業間に格差。売上高は前年同月比で最低が1%減、平均が4%増、最高が16%増。
建設業は、公共工事は受注減退、規模縮小が続き、災害復旧工事も一服感。今後、河川改修事業による受注増大に期待。民間工事は、水害によるリフォーム工事を主体に旺盛な受注で繁忙感。売上高は前年同月比で最低が7%減、平均が5%増、最高が27%増。
商店街は、被災者向け実用衣料に動きはあるが、総じて低調。売上高は前年同月比で最低が31%減、平均が12%減、最高が7%増。
大型店・スーパーは、台風の影響が大きく、葉物野菜やル・レクチェ、ミカン、リンゴなどの果物類は高値、品薄感があり、消費動向も買い控えが見られる。酒やタバコなどの嗜好品も節約志向が強まっている。売上高は前年同月比で最低が10%減、平均が2%減、最高が3%増だった。
(廣川)