「合併よりも大きな問題」と反発
約7400人の署名提出
市長出席で、三竹保育所民営化説明会
民営化の検討を進めている新潟県三条市の三竹保育所で、1月24日午後7時から、3回目の保護者説明会が開かれた。今回は前回保護者からの要望を受けて、高橋一夫市長が出席して説明した。この席で保護者会(馬場早苗会長)は「民営化の1年の延長」などを求めて、高橋市長に7391人分の民営化反対署名を渡した。
高橋市長は冒頭、水害等で三竹保育所民営化の説明が遅れたことを詫び、国や地方自治体の財政状況などを説明。「結論としては、4月1日から三竹保育所を民営化したい。2007年は団塊の世代が定年退職するため、退職金の非常に掛かる年。また、日本の人口が2007年をピークに減っていく。日本の人口が全体に減っていくなかで、団塊の世代の定年によってお年寄りの人口比率は高くなっていく。このため国、地方自治体とも小さな政府を目指している。合併もそのための方法であり、民営化も民間でできる仕事を公でしないことで人件費を減らすための手法。そうでなければ税金を増やすか、サービスを低下せざるを得ない。市の支出を抑えながらサービスを低下させないため、保育所以外でも公のしていることが民間でできるなら、いろいろな形で民営化を進めたい」と、公立保育所民営化の根底を説明。
三条市の公立保育所民営化については、さらに具体的に「平成15年度現在、市内には公立で15カ所、私立で6カ所の合計21カ所。運営に掛かる経費のうち、半分を市が、4分の1を国、県、もう4分の1をみなさまからの保育料で賄っている。三条市の実情を見てみると、私立保育所に掛かる市の負担は、公立の半分以下。5月1日に控えている栄町、下田村との合併の調整には、旧三条市だけで約2億5000万円の負担が必要で、幼児医療や個別接種等もあるが、うち保育料だけで約1億円負担が増えることになっている。今年度には政府の三位一体改革によって公立保育所への補助金もカットされるなど、公立保育所は非常に金の掛かる状態となっている。簡単に言えば、すべての保育所を私立にすると、約5億円、市の負担が減る。すべてを民営化するとは言わないが、統合や民営化によって経費を節約し、ほかのサービスに振り分けたい。市内の民営化の先例を見ても、問題は報告されておらず、民営化を経験した保護者との懇談を持っていただき不安を解消してほしい。みなさんには不利にならないことを理解していただき、4月1日からの民営化にご協力を」とした。
質疑では、「移管先の報徳福祉会は、大崎中学校学区の2カ所の保育所を運営しており、学区内すべての保育所が同一法人の運営となることが不安。我々は、つくし保育園と三竹保育所を見比べて三竹保育所を選んだ」、「節約が理由ならば、もっと大きな保育所を民営化したほうが節約になるのでないか」、「民営化イコールサービスの向上は納得いかない。多くの保育施設を見て回って三竹保育所を選んだし、現在の三竹保育所の教育方針、職員に満足している」など、現在の三竹保育所を高く評価するもののほか、急激な民営化、「先例を見ても問題ない。不安の解消は懇談会」でと、4月からの民営化を押し通す市の姿勢を非難するものが多かった。
高橋市長は「昨年4月の市政方針演説で保育所の民営化を進めることについて話をしている。また、メールマガジンでも、全体的なかたちのなかで保育所の民営化を進める方針を話している」と説明。保護者の不安については、「民営化の先例となる、きらきら保育園の保護者との懇談会で解消してほしい」とした。
保護者側は「私たちにとっては、市町村合併よりもはるかに重要な問題。順序立てが横暴であり、2回の説明会を経ても、保護者の意見を取り入れる様子はみられない」、「きらきら保育園は、1年ほど前から説明があったと聞いている。募集も私立として募集したはず。三竹保育所は説明からたった4カ月であり、募集も公立として、募集している」と反発。
馬場保護者会長から「民営化自体に反対ではない。せめて説明が遅れた分1年の猶予をいただいて、移管法人など、保護者の意見を取り入れたうえで進めてほしい」と、三竹保育所民営化に反対する7391人分の署名を高橋市長に手渡した。1年間という時間には、民営化された保育所から別に転入する場合の猶予という意味もあるという。
今後は、28日午後7時から、同保育所で先例のきらきら保育園民営化当時の保護者と、保護者との懇談会を開く予定で、高橋市長も出席する予定。
高橋市長は保護者の「意見を聞いて、4月からの民営化をやめる気はあるのか」という質問に、「話し合いを聞いて納得すれば」と、否定はしなかった。
説明会の後、ある保護者は、「保護者同士で意見が違う部分もあるが、保護者同士で意見の統一が図れないほど、(民営化の説明が)急だったということ」と、話していた。
(外山)
