経済産業大臣賞 受賞
平成16年度 全国伝統的工芸品公募展で
海外に出ていく桐たんすづくりを
田上町・茂野タンス店
受賞作のLaKIRI L−1タワー 新潟県田上町原ヶ崎、(有)茂野タンス店(茂野克司社長)は、昨年12月7日に行われた平成16年度全国伝統的工芸品公募展に出品。応募総数210工芸、417点の中から、経済産業大臣賞の栄誉に輝いた。

 同展は、(財)伝統的工芸品産業振興協会の主催で、「本物を使う心の豊かさ」をテーマに、毎年開催されている。伝統工芸品を製作する個人、グループ、企業、産地組合、団体などが応募できる。

 昨年12月7日に、東京都豊島区の全国伝統的工芸品センターで審査会が行われ、応募者363人、417点中、394点が入選し、うち16点が入賞となった。

 同社は、平成10年度、12年度、13年度、15年度も同展に出品。平成13年には「桐和机 文士(BUNSHI)・B」で全国商工会連合会会長賞、15年度は「LaKIRI200」で佳作入賞を果たしている。そして今回、同社としては、最高の賞の受賞となった。

 受賞作「LaKIRI L‐1タワー」は、高さ1メートル30センチ、間口が上42センチ、下50センチ、奥行き36センチ。4本足のデザインがポイント。「L‐1」の「L」はリビングを意味する。その名前通り、リビングなどのちょっとした空間に置くことができ、ワイシャツやビデオテープなどの小物を整理するのに最適なチェストだ。移動もスムーズ。

 同商品も、「LaKIRI200」同様、イタリアのデザイナーと共同制作したもので、引出しの端に45度の切り込みを入れ、枠組みをなくすなどのカットも同じ。

 若い人も買い求めやすいように、販売価格も29万4000円に抑えた。

 茂野社長は、受賞について「今回は狙っていなかったので、経済産業大臣賞を受賞したと聞いて驚いた。デザイナーも驚いていた」と驚きを隠さない。続けて、「今回の公募展には、タンスの出品が多く、競合が多かった。その中でも、足のデザインが良かったのではないか」と分析する。

 受賞作は、昨年12月9日から19日まで、同センターで展示販売された。その後、昨年12月23日から27日まで、同社が以前から企画していた、日本橋・にいがた館NICOプラザ#2展示スペースでの「伝統の復活 現代桐家具の提案〜海外へ出ていく桐たんす」展にも出品。購入した人もいたという。

 同社では、将来的には作家として独立してほしいとの思いから、組み立てを手掛ける職人の育成に力を入れ、公募展などへの出品を会社ぐるみで取り組んでいる。

 合わせて海外での桐たんすの販路を求め、ミラノ国際家具見本市に出品するなど、意欲的だ。

 茂野社長は「イタリアがデザイン立国になったのは、ほんの30数年前で、輸出して外貨を稼ぐという国策によるもの。その当時は、タイプライターのオリベッティー社が、デザイン業界のけん引役を担っていた。日本には、そのけん引役がいない。値段が取れる商品なのに、デザインがこなれていなかったりする。遅れている部分もあるが、日本にも先駆者がいる」とし、今後も精力的に進める方向だ。
                                                (廣川)