小さいけど 光る温泉目指す
協同組合化で記念式典
湯田上温泉旅館5軒で
新潟県の湯田上温泉で旅館業を営む5軒は、1月6日、「湯田上温泉旅館(協)」を創立し、初代理事長に野沢幸司ホテル小柳会長が就任した。
湯田上温泉では、昭和33年の新潟県旅館環境衛生同業組合創立に伴い、任意組合の「湯田上温泉旅館組合」を発足し、今まで活動してきた。
しかし、旅館業は、観光を形成する主要な産業として高度経済成長期には大きく発展したが、バブル崩壊後、消費者ニーズの多様化による稼働率の低下やデフレ傾向による客単価の低下など、さまざまな経済的、社会的要因から厳しい局面に立たされている。このような状況で、任意組合では温泉旅館としての方向性や観光客誘致などの諸問題への対処が難しいことから、協同組合を立ち上げることとしたもの。
この日午後4時半から、田上町商工会館で創立記念式典を行い、関係者ら50人ほどが集まった。
野沢理事長は「組合長になった時、湯田上温泉旅館組合の規約を探したところ、昭和35年頃のものがあった。当時の温泉旅館の軒数は22軒。定款の一部改正などを行った昭和41年頃には19軒。現在は5軒になってしまった。22軒当時は、1軒あたり15人ほどの収容で、全体で500人ほど。現在は5軒だが、700人ほど収容できる。過去の先輩たちが守ってきたものを受け継いでいると思う」と述べた。
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続けて、「湯田上温泉の歴史は古い。元文3(1738)年に湯元条目が定められたことを基準に開湯とすると、今から約270年前だが、その前からやっていたと思う。その後、組合を発足させ、事業を進めてきた。5人の先輩から現役員に引き継がれたのは昭和63年頃。合わせて経営もバトンタッチされた。当時は『心のもてなし湯田上温泉』をキャッチフレーズに、全従業員対象の研修会や湯田上温泉の入口に矢印看板を設置したりした。現在は『リフレッシュ湯田上温泉』のキャッチフレーズのもと、地域貢献を目的に、平成8年から県、町、商工会の絶大な支援で、リフレッシュゾーン計画を作成。最終的に温泉施設の建設に行き着いた。私たちからの提案で、官経営の温泉施設を建設し、現在も共存共栄できている。心の交流、癒しとしての東龍寺の座禅体験、体の癒しの温泉、癒しロードもつくり始め、昨年第1期工事を進めた」と、事業報告を含め、今までの歩みを紹介。
最後に、「これからもたくさんの人から、ご指導ご鞭撻をいただきたい。そして湯田上温泉を愛してほしい。小さいけど光る温泉地になれば」と抱負を述べ、協力を求めた。
経過説明では、末廣館社長の細井廣行副理事長が、同組合創立までの歩み、組織などについて説明した。
同組合は、同会館内に事務所を設置。事業計画としては、(1)組合員の取り扱う土産品などの共同購入(2)組合員のためにする共同宣伝(3)組合員のためにする湯っ多里館の弁当惣菜販売業務の受託事業(4)湯田上温泉地区の環境整備に関する事業(5)組合員の事業に関する経営及び美術の改善向上、または組合事業に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供(6)組合員の福利厚生に関する事業(7)前各号の事業に付帯する事業を行う。
細井副理事長は「今は5軒しかないが、さらに旅館が増えるような活発な組合を目指したい」と希望を述べた。
功労者表彰では、同組合の前身である、任意組合を支えた、細井カホルさん、塚野一二三さん、小柳義介さん、乾邦男さん、細井厚志さんの5人に、野沢理事長から感謝状と記念品が手渡された。
来賓を代表し、佐藤邦義田上町長、佐野一雄田上町商工会長らが祝辞を述べた。
佐藤町長は「町を何とか活性化したいと、『交流のまち』を掲げ、少しでも多くの人に来てほしいと努力している。湯田上温泉は泉質もいい。この温泉を利用して、癒しを含め大勢の人に来てもらうことが活性化につながる」とし、町としてもPRに努めるとした。
佐野会長は、同組合会員が、中越大震災で炊き出しや温泉受け入れなどで積極的に取り組んだことに敬意を表し、「小泉総理自身が海外CMで観光をPRしているように、日本にとって観光産業が大事であると再認識されている。その中での設立は大きな意義がある。可能性を十分生かし、地震の風評被害に負けずに頑張ってほしい」と激励した。
式典終了後、会場を湯田上温泉の末廣館に移し、祝賀会を行った。
(廣川)
役員は次の通り。
【理事長】野沢幸司(ホテル小柳)
【副理事長】▼塚野裕喜(わか竹)▼細井廣行(末廣館)
【理事】細井夏子(かつみ荘)
【監事】▼乾津子人(初音)▼小柳義介(新潟商事)
