燕市 行政と民間のコラボを
泉田営業マン知事大いに語る
新潟県の燕商工会議所、日本金属ハウスウェア工業組合、日本金属洋食器工業組合、(協)つばめ物流センターの燕市業界4団体は、1月28日午後4時から、燕市白山町3、萬会館に泉田裕彦県知事を招いて「泉田知事と新年を語る会」を開き、泉田知事が「これからの地域産業振興についておおいに語る」のテーマで講演した。
この会には、主催団体の関係者以外にも、燕市農業協同組合や、建設業協会、高橋甚一燕市長、桜井甚一県議、市議会議員、市職員ら約130人が出席した。
冒頭、主催団体を代表して山崎悦次燕商工会議所会頭は「就任直後から、中越大震災の復旧活動に全力を注がれる一方、地域産業の対策の検討をしておられる。震災さえなければ日本一のセールスマン知事という公約がもっと果されていると考えると残念だが、泉田知事のバイタリティー、若い力に期待している。また、経済産業省出身ということで、強力なバックアップにも期待している。燕産地をはじめ地場産業は依然厳しいが一丸となっていきたい」と、期待を込めた。
講演の冒頭、泉田知事は就任直前の昨年10月に発生した中越大震災を取り上げ「日本一の営業マン知事のはずが、震災知事となってしまったが、みなさんや全国からの支援によって、ようやく防災服から背広に着替えることができた。現在、積雪のなかの被災地だが、雪溶けの時期に向けての復興プランを作っている。被災地は都会の生活と違い、住宅と産業が一体となっており、阪神大震災とは違った新潟モデルのプランが必要。5年後の被災地にコミュニティーが残り、復興していれば成功であり、寂れていれば不十分だということ。これは歴史が証明していく」とした。
本題の地域産業振興については、通産省、経済産業省時代の経験をもとに「石炭、鉄鋼、繊維などの政策はうまくいっていない。これはサプライサイド(供給側)の政策が、マーケットメカニズム(市場原理)に負けたため。これらの政策は市場の前に破たんした。供給者保護となるサプライサイドの政策は非効率。これに似ているのが護送船団と言われる銀行、証券の政策。今後は通信、放送産業が似た状況になっていくことは、NHK問題を見ても明白」とした。
中央省庁改編によって通産省から経済産業省に変化したことについて「改編した中小省庁のなかでも、経済産業省は勝組といわれている。通産省当時のバブル期には、民の力が強く産業政策は不要とさえ言われた時期もあった。職探しのために始めたのが第3セクターによる地域リゾート開発。特定の産業の振興を図ると必ず失敗する。経済産業省が生き残ったのは、準社会主義国とさえ言われた官僚統制の考え方を変革させたことが大きい。規制や権限、交付金、補助金で業界を縛りつける仕組みを変革できると期待もされた」と説明。
地域産業政策には、「行政と民間のコラボレーションが大切。経営者が儲けやすい仕組みをどう作るか」として、行政が一企業では収集の難しい情報の提供や、企業同士の交流の場を提供することなどを挙げた。さらに新潟県経済について、岐阜県産業労働局長時代の実績をあげて「他とは違うルール、特区を作って、他地域に先んずれば大きく成長する可能性がある」とし、「例えば企業同士が共同するためのコストの引き下げに行政が協力する。いい品物を作っても、売り込みは大変難しい。これにかかるコストを行政が協力することで負担を少なくする。大手の総合商社は、都銀としか付き合いがないため、地方の優良企業のことを知らない。1社でこういった情報を集めようとすると非常にコストがかかるが、地銀や地域の産業振興組織はこういった情報を元々持っている。県が仲立ちして、必要なソースを交換させてあげることでビジネスチャンスを増やす。総合商社のソースは、全国展開するコンビニエンスストアに地場産品のカタログを、コストを掛けずに置くことができることなどが挙げられるなど、行政が機会を提供することでコストを掛けずに発展ができる。これは多数の商社としてはメリットがなく、1社とのみするべきで、よい癒着はどんどんしてよい。そしてA県はB社、C県はD社でも問題はない。新潟県は国からお金を引き出すことは得意だったが、新たな会社を招き法人事業税によって税収を増やすことは苦手だった。互いにメリットとなることは官民が提携し、企業単独でできないことを県がカバーしたり、場を提供するなど、これからは皆さんが1社でできないことを県が補完していきたい。サプライサイドの政策でなくマーケットの方に向いた支援。いかに売れる市場を作り出すかが肝心。高福祉高負担の北欧では、毎年、経済が成長しているが、ヨーロッパ規格など政府と企業がともにマーケットを作ったから」とした。
さらに中国市場について「日本の貿易黒字は続いているが、物量は大幅に減っている。これからは量ではなく、価格、収益を考えていく。価格でなく、高付加価値で、少量でも高く売れる物。投資とそれに見合った回収が必要だが、つばめブランド育成事業のように地場が一丸となることも1つ。付加価値をつける仕事についても官に協力させてほしい。4000万人の富裕層をターゲットに中国を市場とすればよい。みなさんの会社が発展する行政を進めたい」とした。
(外山)
