五十嵐川改修事業 一新橋4月から撤去
平成19年6月供用開始
JRより上流は年度内に堤防強化
新潟県の三条市議会の五十嵐川改修事業等調査特別委員会(原茂之委員長)は、3月24日午前10時からの会議で、改修のスケジュールなどの報告を受けた。
移転対象者の少ないJR信越線より上流で今年度から堤防強化工事に入るほか、架け替える4橋のうち老朽化している一新橋の架け替え工事が4月から始まり、19年6月に供用開始することが報告された。
また、移転対象者の代替地については、三条市が、県央土地開発公社の事業として林町2と西裏館2で合計26区画の土地造成を進めているほか、宅建協会などから187の物件が寄せられている。
堤防強化これでは生ぬるい
五十嵐川改修事業は、県が事業主体となって渡瀬橋から信濃川との合流点までの3.9キロ区間で堤防強化を実施するもの。
この区間のうち、今回改修の具体的な計画が示された区間は、渡瀬橋からJR信越線までで、この間を10工区に分けて護岸工事を行う。
うち、田島橋から渡瀬橋までの1工区から8工区は3月28日に発注。JR信越線付近の9工区と10工区は、5月中に発注する見通し。平成17年度中に完成する。
堤防強化の工事内容は、堤防の川側に盛り土し、その上を連節ブロックで覆い、さらにその上に周辺環境に配慮して土で覆う。また遮水矢板を打ち込み漏水を防ぐ。これで堤防が「倍に強化される」という。
ただ、堤防の高さについては、下流への影響を考慮して、今回の護岸工事では高くせず、下流部の工事完了後に実施する。
今回の工区に入っていない左岸側の田島橋から上流150メートルの区間は、補強に向けた設計が進められている。
平成16年度から3カ年で堤防強化が実施される渡瀬橋から上流部については、今年度中に発注を予定している。
また、信濃川の五十嵐川との合流点付近の砂洲除去などの災害復旧工事も請負業者が決まっており、まもなく始まる。
堤防強化についての質疑では、相田邦夫委員が、五十嵐川と同様、昨年7月に破堤している福井市を流れる足羽川について「先日、会派で視察したのだが、官公庁が右岸側にあって、左岸側が破堤しているが、県都を流れるだけに立派に護岸されている。五十嵐川も同じだが、護岸の上には、波避けのために土盛りする。その部分の管理をしていないと、造った時は左右両岸同じ高さでもバランスが取れなくなり、低いところは破堤する。ただ、築堤するだけでは生ぬるい」とさらに強固な堤防とすることを求めた。
今井國雄建設部長は「意見を県に伝えたい。また、基本的に堤防の最終計画高の上に1.2メートルの土盛りをし、道路として利用するので、そのまた上に30センチ上げる形で県と協議している。合わせて50センチの高さの部分に護岸できるかどうかは県にお願いしてみたい」と答えた。
高橋誉委員は「堤防の調査結果を示してほしい。水害時に堤防の途中から水が漏れていた場所もある。改修工事が終わるまで、どこが弱いのか明らかにするべき」と質問。
土田壮一五十嵐川改修対策室長は「3月28日に入札が行われ、破堤個所も含めて弱くなっているところも強化される。現在の堤防よりも倍に強化される予定。下流部は、狭い川幅の拡幅を先行させ安全性を保つ。また、今後の水防活動に向けた訓練もしなければと思っている」と答えた。
一新橋斜めで勾配をゆるく
改修より架け替える橋のうち、老朽化している一新橋は、架け替え工事の工程表が示された。
ことし4月から出水期の6月までに撤去し、出水期後の10月から仮歩道橋を設置に入る。同時に工事に入り、平成19年6月には供用開始する。
架け替え後の幅員は車道と歩道を合わせて9メートルで現在よりも1メートル広がる。現在、6メートルの車道を7メートルにするためで、これに伴い右岸側の取り付け道路も7メートルに拡幅する。
一新橋は架け替えによって、従来の都市計画に沿って、右岸側が若干下流部に向くため、右岸側の乗り入れがしにくくなるとの声が上がっているが、この日も武士俣昭二委員が、道路拡幅について質すと、今井建設部長は「一新橋は多少鋭角になる部分はあるが、十分通行ができるように対策を講じたい。まっすぐ降りるための都市計画道路の整備は財政的に難しい」と答えた。
さらに武士俣委員が「都市計画に沿ってはいなくても、斜めに架けると、かえって不便になるという声がある。検討する必要があるのでは」と質問すると、土田改修対策室長は「都市計画道路は財政的に難しいが、現在の位置で橋を架け替えると勾配が急になる。都市計画道路だと、箱忠交差点までの距離がかせげる」と答えた。
代替地、187の物件と26区画分譲
移転代替地として、市が県央土地開発公社を通して、造成を進める場所は、林町2の餞心亭おゝ乃の駐車場を挟んで南北にある水田2カ所で14区画を整備する。14区画で1区画あたり55坪、坪単価は20万円を越えない範囲とする。西裏館2の第三中学校南側の水田で12区画を整備。1区画50坪から60坪で、坪21万円前後で販売する予定。それぞれ10月から分譲を始める。
市に寄せられている物件情報は、宅建協会から160件、個人から27件で合計187件になる。
また、県が調査を進めている移転対象家屋の調査については、調査対象の246件のうち、14日現在で205件、83.3%の調査を完了。未調査の36件については「調査日の調整や、所有者が県外にいるためで、拒否されているわけではないと聞いている」と報告された。
質疑では、和田武委員が「土地開発公社の区画は増やす方向は考えられるのか」と質問。
今井建設部長は「これで足りるとは思っていない。とりあえず、都市計画の用途地域内で造成する。また、嵐南地域でも交渉を進めている。また、移転関係者のアンケートでは、単価の低い土地の希望もあるので、農業振興地域内も考えている。5月から交渉が始まり、補償額が決まれば、いろいろな要望が出てくると思う」と答えた。
代替地アンケートについては、この日3月15日現在で、325件中、172件、52.9%を回収した結果が示された。
うち、移転したい場所についての質問では「嵐北」が38件で最も多く、次いで「嵐南」が34件だった。土地の希望購入単価の質問では、「15万円から20万円」が38件と最も多いが、無回答が105件。アンケートを提出していない対象者も含めて、5月からの交渉で補償額が定まった後に対応を決める考えの人が多いという。
また、手続きに時間のかかる農業振興地域の解除について、市長職務代理者の佐藤和夫助役は「県の土木部と一緒になって、農地サイドにお願いしていきたいと話をしているが、まだ具体化していないので、お願いはしていない」と答えた。
(重藤)
