
三条市バイオマスタウン構想書が、3月31日、農林水産省から公表された。「バイオマス」とは、「動植物から生まれた有機性資源」のことで、生ゴミや間伐材、もみ殻、家畜排泄物などのこと。このバイオマスを資源として作られたたい肥や燃料は「資源のリサイクル」「ゴミの減量」「地球温暖化の防止」に役立ち、このバイオマス資源の利活用を促進するためのものが三条市バイオマスタウン構想。
三条市バイオマスタウン構想の取り組みの1つに、木質ペレット化の推進がある。その木質ペレット化の普及を目的に、市では、ペレットボイラーやペレットストーブなどを学校などの公共施設で使っていくとしており、すでに、昨年度竣工したしらさぎ荘や下田公民館などに設置されている。これらのペレットストーブを製造しているのが、新潟市西区みずき野二、(有)さいかい産業だ。
「木質ペレット化の推進」は、間伐材や剪定枝をペレット化し、公共施設などに設置するペレットストーブなどの燃料として使い、地球温暖化の防止、里山の保全のみならず、林業の振興や雇用の創出につなげようというもの。
木質ペレットを燃料とするペレットストーブは、間伐材の利用促進や非化石燃料を使わないということで、地球温暖化対策に貢献するとして環境問題からも注目されている。
日本は木質資源の豊かなところでありながら、これまで間伐材や端材、おがくずなどは金をかけて燃やして処分することなども多く、再利用されることはほとんどなかった。
この貴重な木質資源を効率的に再利用できるものが木質ペレット。今まで、処分するしかなかった木質資源を、乾燥→破砕→圧縮することでペレットストーブの燃料としてエネルギー活用できる。
さらに、灯油などの化石燃料を燃やすと二酸化炭素が増えるが、木質燃料を燃やしても二酸化炭素は増えないとされる。木質燃料のもととなる樹木は、成長過程で光合成をする際に、二酸化炭素を吸収する。つまり、木質ペレットを燃やして出る二酸化炭素は、もともと樹木が吸収した二酸化炭素が空気中に戻るだけとなり、これをカーボンニュートラルという。
さらに、木質ペレットの消費が進むと、山の間伐が進み荒れている山が整備される。林業が盛んになり雇用を生む。山がきれいになり豊かになると、流れ出る水がきれいになる。水がたどり着く海もきれいになり豊かになる。山が豊かになると動物が山で生活できるので民家にまで降りてこないという効果も期待される。
三条市内の公共施設では、現在、しらさぎ荘と下田公民館に設置されているほか、今後、保内公園熱帯植物園温室に設置される予定。
このしらさぎ荘と下田公民館に設置されているペレットストーブを製造したのが、新潟市西区みずき野二、(有)さいかい産業(古川正司社長)。同社はペレットストーブのほか、木質ペレットの製造も手掛けている。

新潟県内では、知名度はまだ高くはないが、長野県や福島県などとの引き合いが多く、ペレットストーブの注文量は以前の六倍という。
古川社長は「まだまだペレットストーブも木質ペレットも製造する企業が少ない。環境問題に対峙するには、1社がもうかればいいというレベルでは話にならない。もっと横のつながりが必要になってくる」と、木質ペレットなどを製造する企業の普及にも注力している。
そうした中で、古川社長は現在、柏崎市に木質ペレット製造工場の設立に協力。「ペレットストーブはすぐにはできないが、木質ペレットならハードルは低い。それでも、機械を入れてすぐにできるわけではない。知識を持っている人が協力しないと難しいところはある」と古川社長。
また、「うちの子会社でもない、まったく関係のない会社。それでも、いずれは1人立ちしてほしい。理想は、エネルギーの地産地消。柏崎の里山の間伐材を利用して、柏崎でペレット化し、柏崎で消費する。最終的にはペレットストーブも地元で作るのが1番いい」と話す。
「しかし、最初から、なかなかストーブまでというと難しい。かと言って、産業として成り立たなければ、こういうモノは続かない。そこで、まずウチがペレットストーブを普及させている」と古川社長。また、ストーブの場合は冬期間の需要しか期待できないため、現在は、給湯器の開発も進め、通年での木質ペレットの安定需用を目指している。
古川社長は「三条にも山は多く、まだまだ有効利用されていない。そうした話があるなら、ぜひ協力させてもらいたい」と三条市での展開にも期待を寄せている。
(石山)
