人間国宝で三条市名誉市民でもある最後の越後瞽女、小林ハルさんを偲んで、21日午後2時から、三条市中央公民館大集会室で「越後瞽女小林ハルさんを語る」が開かれ、猛暑の中にも関わらず150人ほどが参加した。
このイベントは、平成13年に三条市名誉市民となった小林ハルさんを顕彰し、越後瞽女唄を継承していこうと三条市が隔年で実施しているもの。
この日は小林ハルさんの最後の弟子、竹下玲子さんやその竹下さんに師事する小林ハルさんの孫弟子にあたる「越後瞽女唄・葛の葉会」を迎えた。
長谷川正二三条市市民部長のあいさつに続いて、竹下さん、葛の葉会のメンバーによる瞽女唄の披露が行われた。
まずは、葛の葉会の室橋光枝さんによる瞽女唄の定番の1つ「瞽女松坂」でスタートすると、続いては、葛の葉と息子の童子丸の別れを唄った「葛の葉子別れ」。前段を葛の葉会の須藤鈴子さん、後段を竹下さんが唄い上げると、会場ではその情景を思い浮かべようと目をつむって、じっと聞き入っている人の姿も。その後は、打って変って「瞽女万歳」。葛の葉会の横川恵子さんと金川真美子さんのコミカルな掛け合いに会場からは笑い声も聞かれた。
越後瞽女唄の披露に続いて、竹下さんと小林ハル瞽女唄保存会の野嵜久次会長による座談会「越後瞽女小林ハルさんを語る」。また、司会は新潟県民俗学会幹事で日本民俗学会会員の高橋郁子さんが務めた。
座談会では、竹下さんは小林ハルさんの唄を最初に聞いた時の感想を聞かれ「小林ハルさんの声はバーッとぶつかってくる感じ。それでいて聞く人を柔らかく包み込む要素を持っていた」と話し、野嵜さんは、小林ハルさんら昔の越後瞽女をめぐる環境について「当時の三条は瞽女さんに対して理解がなかった。中には瞽女さんが来ると棒を持って叩く人もいた」と、当時は無理解だったと伝えた。
座談会が終わると、最後に竹下さんが「伊勢音頭くずし」を披露し、閉会した。
また、この日は会場に野嵜さんが所蔵している越後瞽女に関する写真パネル八枚が展示されたほか、小林ハル瞽女唄保存会が作成した紙芝居「ごぜ・ハルばあちゃんのお話」も展示した。
(石山)
