
平成5年11月で廃止された旧新潟交通電鉄線跡地。燕市は市内の駅舎跡については有償、軌道敷(線路)については無償で譲渡を受け、地元住民などと利用方法を模索してきた。昨年度には旧駅舎風の建物を小中川駅舎跡に設置、これを起点として幅員約8メートルの歩道を竣工。今年度には灰方から白山町三付近までの歩道工事に着手する。
電鉄の廃止から15年、小中川駅跡からJR燕駅までの約5キロについて、ようやく跡地すべての利用方法に目途がついた。平成23年度に灰方までの歩道整備が竣工すると利用のための工事を終える。
利用方法をおおまかに分けると、一部車道などとして利用している個所を除き住宅分譲地、歩道、公園、休憩所などとなっている。
小中川駅跡は地元の意向を反映して旧駅舎を模した休憩所や緑地を配した歩道を設置。平成17年度に国が交通安全対策事業として交付金の交付を決定。小中川小学校区の自治会や学校関係者、電鉄ファンなど、延べ100人が関わるワークショップを開催して整備方針を決めた。事業費総額は約1億4000万円。平成20年3月に完成した。
地元の意向は「電鉄の面影を残した歩道整備」で駅舎を模した建物を設置することに。小中川小学校の児童に歩道のイメージ図を描いてもらうなどして歩道部分の設計にも生かした。
駅舎を模した休憩所には、大きく「こなかがわ」、燕方面に「はいかた」、新潟方面に「にいだ」と駅名を書いた看板を設置、休憩所、トイレを備えて歩道の起点とする。プラットホーム下には当時利用されていた枕木やレールも埋め込まれている。さらに、隣接する旧小中川農協倉庫には旧駅舎や、その色合いから通称「かぼちゃ電車」と呼ばれた電車の写真をパネルにして張り出して当時の面影を今に伝える。
周辺の整備や建物の清掃などを行う新生町花の会もワークショップ委員らの呼びかけで発足し、今年6月には花の植樹を行っている。同会はじめ今後、この「駅舎」は、地元住民の交流の起点としても期待される。

歩道部分は幅員8メートルという広いスペースに、歩行者と自転車の通行部分を完全に分けて設置、中央には緑地を配している。自転車道と歩道を分けるアイデアは小中川小学校児童の描いたイメージ図からヒントを得たもの。小中川小学校グランド裏の歩道には東屋も設置することになっている。
担当課の燕市都市整備部土木課では「住民のみなさんに親しみを持ってもらえると思う。今後も住民のみなさんと協力して生かしたい」とする。
灰方駅跡地周辺はすでに住宅分譲地や公園として整備済みで、駅舎跡には石碑が残るのみ。
また、県道新潟・燕線の灰方付近から白山町三までの区間は、まちづくり交付金事業として約2億円で整備を行う。今年度から一部工事に着手して23年度までに歩道や車道に整備する。
利用方針としては、住宅地に近い白山町付近、約430メートルは一部で住宅地に乗り入れられる幅員約6メートルの車道と約3・5メートルの歩道を併設。それ以降は歩道と緑地、休憩施設を設置する。
残りの田園地帯を貫く部分については、歩道として整備を進める予定になっている。
軌道敷跡の未整備部分や用水に架かる箇所は現在でも、一部で旧電鉄の名残を見ることができる。
(外山)
