燕三条FCの仕掛け人
日の丸観光タクシー(株) 西山斉社長に聞く
 新潟県の燕三条地域に映画・テレビドラマ・コマーシャル・写真のロケーション撮影を誘致、円滑な撮影進行に協力することで、観光振興、文化振興、経済振興を図り、地域を活性化させることを目的とした「鎚の音メディアサポート燕三条フィルムコミッション(略称・燕三条フィルムコミッション)」の10月の設立に向けて、準備が着々と進んでいる。

 ロケーション誘致の効果は、ロケ隊が直接支払う「直接的経済効果」に加え、作品を通じて観光客が増えることによる「間接的経済効果」も期待される。間接的経済効果は分かりにくいところもあるが、直接的経済効果については、ロケ隊が1日につき落とす金は100万円とも言われ、「感染列島」が新潟市の市民病院で撮影されたことによる経済効果は2000万円とも言われる。

 現在、新潟県内には県のフィルムコミッション協議会のほか、9地区にフィルムコミッションが存在し、「フィルムコミッション空白地」は県央地区と新発田地区のみ。

 そこで、現在、燕三条フィルムコミッションの設立に奔走している仕掛人の1人、三条市東三条一、日の丸観光タクシー(株)の西山斉社長にこれまでの経過と今後の期待を聞いた。                                             (石山)

―どうして、燕三条地域にフィルムコミッションを立ち上げようと

西山社長―4月に新潟県フィルムコミッション協議会に日の丸観光タクシーで法人会員になった。それから、コーディネーターの田中克典さんとやり取りをするうちに、「県央地域にはフィルムコミッションがない。それなら作っちゃおう」となった。例えば、この地域で映画のエキストラを集めようとなった時、日の丸観光タクシーとして集めようと思っても難しいところがある。それが、燕三条フィルムコミッションなら集まりやすい。

―なぜ、法人会員になったのでしょうか

西山社長―
2月くらいに旅行の企画を考えていた。いろんな場所を考えて、インターネットで検索していたら新潟ロケーションガイドのホームページにたどり着いた。そこには、いろんな景勝地やロケ先が載っていた。そこで、新潟県フィルムコミッションを知って、何をやっているのだろうと思って調べてみると、非常におもしろい。いろんな会社や団体が会員になっていて、年会費もそんなに高くない。ウチでも入れてもらえるならと参加した。

―県央地域ではなく、なぜ燕三条地域に

西山社長―
まずは燕三条地域を固めてから。最初から欲をかいてもいいことはない。新潟県フィルムコミッション協議会には田上町観光協会も参加している。そこだけに限らず、ほかのさまざまな団体と連携をとっていければいい。もちろん、燕三条地域だからと言って、ほかを紹介しないというわけではない。近くにいいロケ地があるなら、紹介していきたい。あまり、1つの組織にこだわることも無いのではないか。

―会の規模としてはどれくらいを見込んでいますか

西山社長―
広がれば広がるだけいい。最初から入口を狭める必要もない。ただ、統制がとれた中で、秩序も必要。広がれば、広がるだけいいが、かと言って無理に広げる必要もないのかと思う。

―運営はどのような感じで

西山社長―
協賛してくれる企業から無理のない感じでお願いしたいと思う。そして、何らかの形でお返ししていければ。個人会員にはあまり無理のない形で進めたい。また、行政や商工団体にもあまり無理は言いたくない。行政主導ではなく、民間主導でやっていきたい。全国的に見ても、民間が中心になっている方が活発に動いている。

―ロケ地としての燕三条地域の可能性は

西山社長―
フィルムコミッションを知る少し前に、ある方に観光についての着眼点を教わった。そうすると、その辺の小路も魅力的に思えるようになって、三条も捨てたものじゃないなと思えた。例えば、一ノ木戸商店街の裏道なんかはいい味がある。燕の駅前のアーケードから1本入ったところなんかは、昭和30年代や40年代の雰囲気そのまま。四日町あたりのごちゃごちゃした雰囲気や新通川沿いなんかもいい感じ。ロケ先には工場というリクエストもあるよう。そういう意味でも、燕三条はもってこいの地。どういう要望にも応えられる。

―フィルムコミッションを立ち上げることでどのようなメリットが

西山社長―
これまで新潟や長岡に持っていかれたところに顔を出すことができる。ロケ地を誘致するだけでなく、ほかでの撮影の際にエキストラの募集などで応援の要望がくる。これまで、エキストラをやりたくても、情報が無くてできなかった人たちに、情報を提供することができる。

―フィルムコミッションに期待することは

西山社長―
ただ単純に「撮影が来てよかったね」ではなく、そこで観光資源を作り上げたい。ここは○○の撮影地というだけでなく、スタッフや監督に何かを残してもらって、それを一堂に集めても観光資源になる。例えば、撮影があった場所に「○○の撮影地」という看板を立ててもいい。町自体がそうやって動いていくことで、あまり観光資源がないこの地にも新しい観光資源が生まれるはず。