
松下電器産業創始者松下幸之助は、「私は運がいい 」と1日30回、欠かさず口にしたと言う。このような話を聞いて感心しても、実際に行動に移す人は多くない。新潟県加茂市旭町、山口昇税理士事務所の山口昇所長は、この話を聞き、毎朝30回言い続けるのは難しいため、この意識をいつでも心掛けられるようにと、「私は運がいい 」シールとアメを作成。お客に配り、好評を得ている。
山口所長は「税の専門家として企業や事業所とかかわっているが、お客様の永続発展が私たちの使命。会社の業績が良くなることが、そこで働く人はもちろん、会社や地域、国の発展につながる。このシールやアメをきっかけに、1人でも良くなってくれれば」と話している。
初めは、昨年1月に会計人としてどうあるべきかというセミナーに参加し、「社長が元気になれば会社が良くなる」という話に共感したことから。山口所長は「私たちは税理士事務所で、税の専門家として働いている。メーンの仕事は、中小企業の社長と会って話を聞き、会社の業績を良くしてもらうこと。倒産したら地域に貢献できない。会社の発展が社員や地域、国の発展につながる。企業の健全発展が私たちの使命。『企業の永続発展を願い共に考え行動を
』が所是でもある。そのためにも、社長が元気でなければ」と思いを述べる。
同セミナーで、社長を元気付けるために「元氣バッジ」を作って配ったという話を聞き、山口所長は「もっと目に触れるようにしたい」とシールを作成。同所のイメージカラーの緑を使い、「いろいろなところに張ってほしい」と何枚か束にして関係企業や事業所などに配った。配った先では「そうだね。元気を出さなきゃだね」などと共鳴する声が多かったという。
その後、昨年12月に加茂商工会議所のセミナーに参加し、松下電器産業創始者松下幸之助が「私は運がいい」と1日30回欠かさず口にしたという話を聞き、「私は運がいい
」シールを作成。「元氣シール」同様、束にして配った。「毎朝30回言い続けるのは難しいが、言わないまでも気付きが得られればと思った」といきさつを話す。

山口所長自身、ケータイや電卓、名刺入れなど、常に目に付く場所に張っている。
同シール配布後、「商談が決まった」など、同所にうれしい報告が続々と届いたとか。山口所長は「冗談でも、『このシールのおかげで商談がまとまった』『業績が良くなった』と言ってもらえたのは、とてもうれしかった。『こんなので本当に良くなるの?』と疑った人ほど、『効果があった』と言われた。疑っているから気になって、余計に見ていたのかも知れない」と笑う。
さらに、今年1月にNHK「おはよう日本」で、オリジナルの図柄を金太郎アメで作る「まいあめ」を見て、早速、「私は運がいい
」アメを4000個注文。同所のイメージカラーの緑を使い、メロン味にした。
アメは5月ころに出来上がり、それを所員が20個ずつ、同シールと一緒に袋に詰め、100カ所以上に郵送。同封した案内文には「シールは今後とも目に付くところに張っていただくと同時に、ぜひこのアメをなめていただき、さらに運を高めていただければ幸いです」などと添えた。
「アメなら食べればなくなるし、邪魔にならない。ただ、なめると舌が緑になる」と苦笑いしていたが、シール同様、反響が続出。配布先が取引先などと話す際の話題になるなど、コミュニケーションツールとしても一役買ったようだ。
さらに山口所長は、今年4月に「ツキ」についてのセミナーに参加、秋にも勉強会に参加する予定というように、今まで以上にお客に元気になってもらおうと意欲的だ。
ツキについて「ツキは待っていても来ないという。運を必然的に吸い寄せることも重要」とし、その手段として「否定言葉は使わない」「運がない人と付き合わない」などを挙げた。「事業がうまくいかないと、同じようにうまくいっていない同業者のところに行き、愚痴る人も多いと思う。本来なら、うまくいっている人のところに行き、どのようなことをしているのか学ばなければならない。良い企業は、さらに良い企業を見つめている。前向きな人、勉強する人にかかわることが大事。ツキは他人が運んでくるものだから」とアドバイス。
同所では、売り手、買い手、社会が良いという近江商人の「3方よし」の精神を経営理念に掲げ、感動を与えられる、または与え続けられる事務所を目指している。山口所長は「商売は気持ちと気持ちのかかわり。当たり前のことと思っていても、その人のことを信用できなければ、アドバイスも聞き入れられない。信頼関係がないとダメ。だから当所では、求人でも資格よりも人柄や明るさを見る。当所の売りは『元氣あるスタッフ』なので」とし、「このシールやアメがきっかけとなって、1人でも良くなってもらえれば」と期待を寄せている。
(廣川)
