三条カレーラーメン 次のステップへ
 三条を代表するラーメン「カレーラーメン」。一説には、70年以上の歴史があると言い、現在、旧三条市内だけでもカレーラーメン提供店は70店舗以上にのぼる。

 この三条カレーラーメンを売り出そうと、昨年10月から12月末まで開催された新潟デスティネーションキャンペーンのプレキャンペーンでは「ときめきカレーラーメン」として前面に押し出し、ことし2月25日から販売された三条飲食店組合や三条商工会議所も開発に協力したセブンイレブンの「三条名物カレーラーメン」は大ヒット。また、3月21日から29日まで、三条市と三条まちあるき協議会が主催した「越後三条ものづくりの心に出会う まちあるき」でも、「三条カレーラーメン探訪」コースは人気を博し、徐々に「三条カレーラーメン」の認知度は上がってきている。

 三条カレーラーメンの起源は定かではないが、東京亭や大黒亭などでは70年以上前からメニューとして存在していたと伝えられている。

 昔、午後9時、午後10時まで働くことが当たり前だった三条の鍛冶屋。そこで、冬には、カレーのスパイスで体を温め、夏にはそのスパイスが力に変わると、鍛冶屋には好まれていたという。

 一口にカレーラーメンと言っても、タイプはさまざまに分かれる。カレーのスパイスを溶かしたスープを使ったカレーラーメン、カレーライスのようにラーメンの上にカレーのルーをかけるカレーラーメン、ソバのカレー南蛮のようにカレー粉をスープで伸ばし、片栗粉でとろみをつけたカレーラーメンなどがあり、三条市内で「老舗」と呼ばれる店でもタイプは異なっており、三条カレーラーメンに特定のタイプは存在していない。

 ほかにも、現在は、今回のカレーラーメンブームに乗って、夏に向け、冷やし中華タイプのカレーラーメンの開発に取り組んでいる店があるほか、付け麺タイプを出しているところや、麺にスパゲッティを使っているもの、カレーにビーフカレーやキーマカレーなどを使っているところもあり、各店がしのぎを削っている。

 これまでに、カレーラーメン発信への取り組みは、新潟デスティネーションキャンペーンプレキャンペーンでのPR、セブンイレブンとの「三条名物カレーラーメン」の共同開発、「越後三条ものづくりの心に出会う まちあるき」での「三条カレーラーメン探訪」コースの実施。

 新潟デスティネーションキャンペーンプレキャンペーンでは、三条商工会議所サービス業部会が「鍛冶雑炊」、限定カクテル「華路」とともに、「ときめきカレーラーメン」として前面に出し、取扱店舗を掲載した三条まちなかガイドマップ「歩めば、ときめく。三条路」を作成。昨年10月1日から12月31日までの期間中、各店で趣向をこらした「ときめきカレーラーメン」を提供した。

共同開発した「三条名物カレーラーメン」 そして、セブンイレブンと共同開発した「三条名物カレーラーメン」が一気にブームを盛り上げた。「三条名物カレーラーメン」は、三条飲食店組合のほか、三条商工会議所、三条市も開発に協力。県内でタウン情報誌を発刊する(株)ニューズ・ラインも開発段階から参加し、PRを担ったほか、地元新聞やテレビ局などがこぞって取り上げた。

 「越後三条ものづくりの心に出会う まちあるき」での「三条カレーラーメン探訪」は、東三条駅周辺、三条駅周辺、北三条駅周辺の三コースで実施。それぞれのコースで2時間ほどの時間でハーフサイズのカレーラーメンを3杯食べるというコースだったものの、参加者はいずれも完食。前述したタイプの違いが生きて好評のうちに終わった。

 三条カレーラーメンの火付け役、刈谷栄二さんの店、三条市元町、龍昇園でもカレーラーメン目当てに訪れる客が増えてきている。「以前は、来るのはほとんどが常連さん。誰かが入ってきたら、味噌ラーメンを作っておけば間違いはなかったが、最近は見かけない人が入ってくると、決まって『カレーラーメン』。新潟市や五泉市、長岡市あたりからも客が来るようになった」と話す。

 特にセブンイレブンで発売した「三条名物カレーラーメン」には、QRコードを掲載し、ホームページと連動させ、店舗への導線にもしてあり、龍昇園以外でも、市外からの客足が増えている店もある一方で、「セブンイレブンに食われたところもある」と言う。

 確実にブームが来ているカレーラーメン。刈屋さんは「ここまで来るのに4年かかった」と感慨もひとしお。そして、次の展開も思案中。その1つが「『麺』許皆伝」。「カレーラーメン提供店舗を何店か回ったら『麺』許皆伝で何かの証しを渡し、それを見せたら何かの特典が得られるようにしてもおもしろい」と刈屋さん。

 さらに、刈屋さんにはその先の構想も。「各店が自分の店の色を出したカレーラーメンを考えている。そして、ブームに乗って、これまで出していなかった店でもカレーラーメンをメニューに加えているところもあるし、ラーメン店以外でもファミリーレストランや焼き肉屋でも出し始めている。それでいい。三条に来ればいろんなカレーラーメンを食べることができると、本当の意味でカレーラーメン王国になればいい。そして、カレーラーメンに限らなくてもいい。三条にはカレーライスの美味しい店もあれば、カレー味の料理をすべて巻き込んで、『三条はカレーの匂いのする町』として、カレーラーメンの枠を超えてもいい」と「カレーで町おこし」を思い描いている。

 今回のカレーラーメンブームについて、「今回は我々の方からの盛り上がりだったが、これを食べる側、市民の側に根付いた盛り上がりにしていきたい。なんでも、地元に根付いて初めて名品になる。市の宝ものとして育てていくには、市民に認められてこそ」とし、足元からの盛り上がりに期待を寄せている。      
                                                (石山)