「理由あってお得」、「地域の共通課題解決」
ストックバスターズ好調 コンセプトが、時代のニーズに合致
 新潟県燕市物流センター2、燕・三条ファクトリーアウトレットショップ・ストックバスターズ(岩佐重久店長)が売れ行き好調だ。

 地域内のメーカーや商社が抱える経営課題を地域全体の課題として捉えて2002年に開店して以来、堅調に業績を伸ばしてきたが、地域の業者が製造もしくは流通させている確かな商品が、廃番品やキズ物ということで定価の50%から90%引きで買える「理由(わけ)あってお得」が、大不況で財布の紐が硬くなっている消費者にも受けている。

 また、弥彦、寺泊といった県内有数の観光地が近いこともあって、県外からの観光バスのコースとしても認知されてきており、リピーターも含め県外客にも受け入れられている。

 今年1月から3月下旬までの間の売り上げを見ると前年の同じ時期に比べて120%、「1月に入って急に動きが変わった」と同店。1日当たりの売り上げでは、前年の同じ日に比べて140%超という日もあった。

 好調の要因について同店では暖冬小雪も要因の1つとしながら「住宅着工件数が少ないことなどを考慮すると、当店の主力であるキッチンウェア、ハウスウェアが売れ行き好調な要因は、各世帯で外食を控えて、自炊する機会が増えたことによる買い替え需要が大きいのでないか」と、見ている。

 昨年秋以降の大不況で、全国的にも食品を中心に「理由あってお得」な商品が消費者の脚光を浴びている。同店で扱うキッチンウェアやハウスウェアもこの地域の業者が製造、流通させている確かな商品でありながら、定価の50%から90%引きというお買い得感と、値引きの理由をしっかりと示すなどの安心感が受けている。「衣料品などを扱うアウトレットではブランド品のアウトレット専用商品などが販売されているが、当店は、本物を安く買える本当の意味のアウトレットだと言える。今後も地域の課題を解決する場としてブレずに営業していく」と、方針を示している。

 廃番商品や返品された商品、キズものなど「それまで引き取り手がなければ、処分料を払って廃棄していた」というスリーピングストックやデッドストックは、この地域のメーカー、商社が抱える大きな経営課題だった。これを効率的に換金し、かつ廃棄を減らすことで環境にも配慮する。「企業の共通の課題を地域全体の課題として捉え、新しい販路を通して、地域の皆様に貢献しながら改善していく」ことを主な目的に、店名の通り「在庫退治」というコンセプトで2002年に全国でも珍しいキッチンウェア、ハウスウエアのアウトレットショップとして開店。しっかりとしたコンセプトが、結果として今の時勢にピッタリと一致したかたち。

 当初25社だった協力会社は、地域の課題を解決するという趣旨や、仲介業者が無く、在庫を効率的に換金できることなどが受けて現在では100社を超えている。運営元の親会社である和平フレイズ(株)も「一協力企業であり、協力企業の課題、悩みを解決する場」と捉えて参加し、地域の課題解決に努めている。

 それまで土日限定の営業だったが、2003年3月から年中無休とした。

 2004年の年間来店者数9万3000人に対し、2008年が16万人。売上は2004年が約9200万円、2008年が約1億4900万円と、4年で1・6倍まで伸びた。現在のペースで進んで行けば、2009年は来店者数で19万人に達しそう。

 主な客層は中高年の主婦だが、休日には、これに家族連れや若者、県外からの観光バスの客も加わる。物流センターの奥まった立地で一般市民には分かりにくいが認知度は上がってきていて「来店する人のほとんどが、何らかの目的を持って来店し、かつ何らかの買物をしていく」といい、今後は物流センター前を通過する自動車のドライバーにもPRしていく。

 観光バスは2006年頃から、寺泊観光や弥彦観光のルートの一部に同店を組み込むようになった。寺泊の魚の市場通りで鮮魚を買い求め、調理器具を同店で買う、というコースで長野県、群馬県などからのツアーが多いという。観光客は鍋、フライパンなどを「お土産」として買っていく上、観光バスでは滞在時間が足りないと、自家用車でリピートする人も少なくない。同店が行ったアンケート結果にも「友人を連れてまた来たい」という答えが約90%と、リピート率の高さを示している。

 また、3月28日から実施されている高速道路利用料金の休日上限1000円などの引き下げも、開始当初から即効果を表し、28日、29日の2日間は前年の同じ日と比べて130%の売り上げとなった。同店では5月の大型連休など「県内でも遠い地域の方々が動いてくれるのでないか」と期待している。

 廃番商品、在庫商品を取り扱うということで品ぞろえは一定しないが、納入先と相談の上、入荷した商品の売れ行きを「販売価格」に反映する方法で、効率的に「在庫退治」を実現している。また「利益を出すためではなく、あくまで地域がよくなることが大切」との考えから、収益は積極的な各種の企画や広告宣伝費として消化して、より集客を図っている。

 物流センター前の道路には、相当数の交通量があるため「目的買い」以外の来店客も確保しようと、新たな方策を検討している。         
                                               (外山)