
三木、東京、武生、関、堺、高知など全国の利器工匠具メーカーや連合会関係者らが一堂に会する「第41回全国利器工匠具工業会連合会三条大会」が、6月13日(土)午後1時20分から、新潟県三条市横町2、餞心亭おゝ乃で開催される。
2年に1度、開かれる全国大会。大不況によって各地の地場産業が苦境に立たされているなかでの開催となるが、主管の三条利器工匠具連合会会長と、全国利器工匠具工業連合会会長を兼務する(株)タダフサの曽根忠一郎社長は「参加者の本音の聞ける大会に」と準備を進めている。
全国利器工匠具工業連合会は、三条利器工匠具連合会、越前刃物産地(協)連合会、岐阜県関刃物産業連合会、高知県土佐刃物連合(協)、堺刃物商工業 連合会、東京刃物工業(協)、三木工業(協)に、2社の鋼材メーカーなどで構成している全国組合で主に刃物関連のメーカーが主体。全国大会は「業界の現状を把握し、研究開発を促進するとともに、会員相互が情報交換を行い、将来の進むべき方向を検討することにより、業界が発展する」ことを目的に昭和27年から、41回目の開催となる。現在は各産地が2年ごとに持ち回りで開催している。
今大会のテーマは「伝統技術継承と新たな挑戦」で、「各産地で受け継いできた伝統を重んじながら、個々の企業で新しいことに挑戦していく」という意味が込められている。平成7年以来の主管となった三条利器工匠具連合会では、昨年から準備委員会を立ち上げて開催概要を取り決めてきた。
大会宣言へとつながる主な提出議案は、鋼材メーカーへの対応、各産地で産地表示を明確化すること、全国的に刃物を凶器とした事件が増えているなかでの刃物教育徹底などで、議案審議を経て大会宣言が決定する。
鋼材メーカーへの対応について曽根会長は「鋼材メーカーが、取り扱う鋼板の種類を絞ってきていて、刃物の製造に不可欠な材料でさえ手に入りにくくなってきている。各地からの意見を取り上げて、メーカーに申し入れをしたい」とする。全国利器工匠具工業連合会には、鋼材メーカーも名を連ねているため、大会で全国の産地やメーカーからの声を大きくしていくことで、状況の打開を目指す。
さらに曽根会長は「非常に厳しい大会となるだろうが、各地で継承してきた伝統を守ってよいものを作っていこうということが根底にある。大勢の人たちから参加していただき、生の情報、本音の聞ける大会にしたい。前向きに大勢の人の話を聞いたうえで生き残るための道を探していく。利工連の力を結集したい」と話していて、参加者同士の交流を重視している。
かつては毎年開催で包丁やカンナ、ハサミなどで分科会を開催するほどだったが、後継者難や高齢化によって参加者は減少傾向にある。世界的な厳しい経済状況下で大会運営も厳しいものとなりそうだが、会員同士の情報交換を促すこと、全国組合として声を上げていくことで開催の意義を深めていく。
13日の大会は3部構成で、第1部は式典、議事、特別講演。3代続いた事業所を表彰する「三代表彰」などの各表彰、参加各地区の紹介などを行う式典、議事では、各地区の状況報告及び本部の報告、さらに議案審議、大会宣言、次期開催地への大会旗授与などとなる。
特別講演では、NHK大河ドラマ「天地人」の主人公・直江兼続公の生涯について、兼続公の生誕地、南魚沼市から同市文化審議会会長の大嶋要三さんを招いて講演してもらうことにしている。ドラマ「天地人」の物語も盛り上がってきていて、大会翌日は放映日だけに注目が高まりそう。

翌日のオプションツアーでは、三条鍛冶道場や、下田地区の漢学の里を見学した後、いい湯らていで遠方からの参加者に旅の疲れを癒してもらう。その後、県央地場産センターで手土産用の三条産地産品を買い求めてもらうなどして、三条市内の名所を巡ってもらうことにしている。
オプションツアーのコースについて「参加者は業界全体の流れをつかもうと参加する。各産地の現状を知るためにも、ここで打ち解けて話をすることが重要。ここで作った横の連携を仕事にも生かしたい」と曽根会長は、全国大会に期待している。
(外山)
