中国市場へ攻勢、吉本とタイアップも
売上前年比108%達成、パール金属・高波社長
高波久雄社長
高波文雄副社長
 新潟県三条市五明、パール金属(株)の高波久雄社長は、5日に開かれたパール会新年会で、中国全土で約100店の代理店、約170店のテナントなど流通網を整えて、同国内での販売攻勢を、より一層強める考えを示した。

 ウォールマート、カルフールなどの世界企業、日本企業でもイオン、イトーヨーカードー、イズミヤ、ユニー、平和堂、伊勢丹、高島屋などが中国への出店攻勢を強めるなど「4、5年後には世界1の輸入量、世界最大の消費地になるだろうと言われており、出店ラッシュ。パール金属もこれを見逃さず、売り込みたい。中国のネット通販大手、タオバオ、アリババとも取引を進め、攻めていく。中国のテナントでは、日本の売価の5倍で、地元の製品を売っても売れる。パール金属からコンテナを上海に送り、武漢の倉庫に在庫している。そこから中国全土の代理店へ商品を供給し、テナントにも卸している。流通システムは出来上がっており、あとは営業力で攻めるのみ」と、実店舗、通販の両面で攻勢を強める。

 さらに、経済産業省が官民一体で進める「クールジャパン」の企画で、吉本興業(株)と組み、中国で放送するテレビショッピングに売り込むシステムを構築。「ハマれば大きく売れるのでないかと期待している。地元・燕三条の商品を売り込みたい」とした。

 4月の決算で創業45周年を迎える同社。高波社長は営業報告で、東日本大震災による震災需要や猛暑による夏物商品の好調な動きに加えて、積極的な新商品開発など商品のレベルアップによって「前年対比108%の売上を達成した」と発表した。

 販売攻勢をかける一方で、生産基地としての中国について「元高、材料高、福利厚生など待遇面を含む人件費の上昇で値上ラッシュ。人件費は工場労働者で3000元、日本円にして4万円と、10年で4倍。中間層では10万円から20万円と日本人と同じような額になってきた。円高をプラスマイナスしても、値上げが必要なほどだが、従来商品を値上げすることは難しく、やはり新商品開発を進めなければ生き残れない。数年前から燕三条の商品の開発も進めており、地元の商品もたくさんできた。日本への輸入はこれ以上増えないと考えており、その分、燕三条商品の開発を進めるのが私どもの考え方。それでもインフラが整わないインドやベトナムに比べれば、まだまだ世界は中国に製造基地を求めている。インドやベトナムなら船便で1カ月のところ、中国なら1週間で倉庫に入る。人材不足で経営者は自動化、機械化を進めるため、日本やドイツに機械を注文している。これからはそういった分野のメーカーがよいのでないか」と述べた。

 中国経済についてはほかにも「経済発展は終わるという人もいるが、まだまだ発展していくだろう。これからは発展の中身、新幹線や地下鉄の事故で中国政府、中国人社会ともに反省しており、立派な建物や一流の設備を近代化としていたが、日本やドイツのようなキチンとした考え方が求められている。さらには企業誘致やインフラ整備が政治への評価とされてきたが、最近では低所得者向け住宅や、工場の福利厚生改善、教育への投資、病院の医療改善などに変わってきた。急激なインフレへの対策、政府への不満から富裕層の海外移住が目立つことなど対策が急がれている」とした。

 国内では3月末に新東京支店が竣工し、5月1日から稼働予定で「東京では現在70人の営業マンを100人体制にし、早急に東京営業本部をつくって全国制覇をするべく考えている」と国内でも営業力を強める。

 新商品開発の方向については「震災後、節約ムードで高額商品が売れず、低価格商品が売れる、今年は特にそういった傾向にあるだろう。価格だけでなく、お客様から親しまれる、心をつかむ新商品を作っていかないと支持されない。安さだけでなく、値ごろ感があり、便利で良い商品が売れていく。今年は節電、節約、健康、防災関連の商品で、低価格の商品が売れるだろう。世の中の動きに合わせて、会社が一生懸命に企画し、努力すれば必ず生き残ることができる。企画陣が日々努力し、売れる仕組みを作っている」とし、結びに「今年も大競争になる。チームワーク、きずなを強くし、みなさんの商品を売って、売って、売りまくりたい。今年は辰年、私も辰年生まれで、昇り竜でがんばりたい」と力強く宣言した。

 國定勇人三条市長、斎藤弘文三条商工会議所会頭の祝辞に続いて、パール工業(株)社長の高波文雄副社長が、具体的な新商品やアウトドアショップ・ウエストについて言及し「これからも、あらゆる年代の女性をターゲットにした商品開発を進める。昨年6月にオープンしたウエスト上越店はオープンの3日間で約1万人以上のお客様から来店していただいており大成功。その後もよく売れており、長野県からのお客様も多く、今後も情報発信基地として伸ばしていきたい。サイクル事業部では昨年、電動アシスト自転車を発売したが、この市場規模は昨年42万台で、バイクの25万台を追い越している。当社としても、さらに進化した商品開発を進め、リチウム電池を使い、普通に充電できますが、ペダルをこぐことでも充電でき、その蓄電池から携帯電話に充電できる災害にも強い電動アシスト自転車を発売する。予約注文も入っており、大変期待している。ネット通販の売上が2倍以上にも伸びており、今後もネットで売れる商品の開発を進める」とした。
                                               (外山)
 2012年01月07日本紙掲載