震災影響、明暗はっきり、円高は悪影響のみ
吉田商工会会員事業所調査
 吉田商工会(泉谷善二会長)は、このほど、昨年10月5日から11月11日までの期間、同商工会会員事業所を対象に郵送アンケートで実施した、東日本大震災と円高の影響に関する調査結果を取りまとめた。

 調査に応じた事業所は143社。業種では小売・飲食・卸売など第3次産業(ただし小売は製造小売含む)が82社、建築・製造業など第2次産業が61社となっている。従業員数は20人以下の事業所が112社と大半を占める。また、この中で輸出入など海外取引を「ある」と答えた企業は18社で「ない」と答えた企業が122社となっている。

 東日本大震災の影響では、震災後2カ月間の売上について「減少した」が66社、「変わらない」が67社で、逆に「増加した」と答えた事業所が7社。とくに飲食や卸売、理容・美容業などと金属製品製造業で半数以上の事業所が「減少した」と回答した。一方で建築業など影響が少ない業種も見られた。従業員数別では従業員が多いほど売り上げへの影響が見られ、50人以上の企業では91%が「減少した」と回答している。

 さらに、震災後6カ月経過時点での売上では「減少した」と答えた事業所は55社、「変わらない」と答えた事業所が72社、「増加した」と答えた事業所が13社で若干の改善傾向が見られた。業種別では、小売業と理容・美容業で半数以上が「減少した」と答えた一方で、飲食業や金属製品製造業などで約15%の事業所が「増加した」と回答している。

 また、今後の売上見込みについては「増加する」が13社、「変わらない」が62社、「減少する」が65社とそれぞれ回答。業種別では卸売業で四割が「増加する」と答えているなど好調な業種がある一方で、理容・美容業で半数以上が「減少する」と答えるなど明暗が浮き彫りに。従業員数別では5人以下の事業所で半数以上が「減少する」と回答。

 震災による事業内容の変化については「変わらない」と回答した事業所が80・4%、115社だった一方で、15社従業員削減、8社が廃業を検討するなど厳しい状況がうかがえる。

 一方、円高については影響が「ある」と答えた事業所は44社で全体の31%、「ない」、「どちらともいえない」が合わせて97社で全体の88%だった。業種別で影響を大きく受けたのは金属製品製造業で58・5%、その他製造業で46・2%、飲食業33・3%。従業員数別では従業員数が多いほど「ある」と答えた企業が多い。

 円高の影響が「ある」と答えた事業所のうち、業績が「改善した」と答えた事業者はなく、「悪化した」と答えた事業所が91%の40社で円高のメリットは見られなかった。悪化の具体的な原因については「親会社からの受注減少」、「受注単価の下落」で半数以上を占めるなど、下請け企業特有の間接的な影響が大きい。

 今後、円高が続いた場合の対応については「変わらない」と答える事業所が97社で大半を占めるなど静観する向きが強い一方で、従業員の削減を検討する事業所が23社、廃業を検討する事業所が12社あった。逆に「新分野への進出」とする回答が17社、「販売先・仕入先等の変更」とする回答が19社など、前向きな対応も。そのうち、「従業員の削減」、「廃業を検討する」と答えた事業所を業種別にみると、両回答とも金属製品製造業、その他製造業が他業種と比較して高い。

 震災、円高に対する行政施策の要望では、「信用保証料の助成措置」が最も多く、続いて「融資金利の助成措置」、「設備投資企業への税制面への優遇措置」など融資面での要望が続いた。また従業員数別で従業員数が多いほど「新規雇用者への支援策」、「設備投資企業への税制面への優遇措置」へのニーズが強い傾向が見られた。  
                                              (細山)
 2012年01月11日本紙掲載