「世界に1つ」ギフトショーで発表
爪切りの抜きバリ使ったテーブルランプやフロアスタンド
 昨年11月にオープンファクトリーとしてリニューアルした新潟県三条市高安寺、(株)諏訪田製作所(小林知行社長)。併設するファクトリーショップのシンボルともなっている製造過程で出る鋼鉄の鍛造片「抜きバリ」をシャンデリアをはじめ、ブラケットランプ、ドアノブには、「すべての工程をこの工場で行っている」という工場現場ならではのこだわりが見てとれる。

 この抜きバリを使ったLED照明のテーブルランプ、同じくLED照明のフロアスタンド、そして、ロウソクを立てる燭台などを一般に発売。8日(水)から10日(金)までの3日間、東京ビッグサイトで開かれる「2012インターナショナルギフトショー」で発表する。

 積極的に各種展示会に出展している同社。昨年はオープンファクトリーのPRも兼ねて、シンボルとなる抜きバリのシャンデリアやブラケットランプをオブジェとして展示していたところ、「どこで売っているのか」と問い合わせが殺到。しかしながら、シャンデリアは250キログラムの重さ。ブラケットランプとともに設置には工事も必要なことから、「それなら、工事を必要としないものを」と、テーブルランプやフロアスタンド、燭台の開発を決めたもの。

 ギフトショーから注文は受け付けるものの、すべてが職人の手作りで、早くとも出荷は春ごろの見込み。また、1カ月に3000個の爪切りを製造する同社。そこから出る抜きバリは片刃ずつで6000個。この抜きバリが、テーブルランプには40個から50個、フロアライトには200個、燭台には20個から30個必要で、自ずと数は限られるが、「スクラップの形は1つ1つ違い、使用材料の量も異なる。それを作る職人の個性も出る。出来上がるのは、この世に2つとない世界に1つだけのもの」と小林社長。

 オープンファクトリーリニューアルの際の記念品としても使った抜きバリ。使用原材料に対する製品の出来高率を表す歩留まり率は、当然、高ければ高いほど原材料のムダなく効率的な生産がされていることになり、一般的には90%以上を目指す。しかし、同社の歩留まり率は30%。残る材料の70%が抜きバリとなる。

 小林社長は、「いい刃物を作るために材料にこだわるのは当然のこと。しかし、金属にもフローが存在する。そのフローを生かすことで、さらに強度が高まる。いい材料をさらによくするために、70%の『ムダ』が必要。この『ムダ』がなければ究極のものは作れない」と話す。

 「このスクラップのおかげで爪切りが作られる。ランプはスクラップの供養のようなもの」と話す小林社長。日本のみならず世界から評価されるSUWADAの爪切りのもう1つの側面のスクラップ。これまで日の目を見なかったスクラップに光を当てる。
                                              (石山)
 2012年02月03日本紙掲載
諏訪田製作所