キャストトークショーも大盛り上がり
アノソラノアオ関係者特別有料試写会に300人
細川実行委員長
鈴木市長
 6月からの県内公開を前に、10日午後2時から、メーンのロケ地となった燕市の文化会館で、関係者特別有料試写会が開かれ、上映前には、主演の中山麻聖さん、中山さんの実父の三田村邦彦さん、相沢まきさん、地元オーディションで選ばれたヒロイン役の納谷美咲さん、燕市在住のナシモト・タオ監督によるトークショーが行われた。

 開会で、アノソラノアオを物心両面でサポートした「はばたけ燕実行委員会」の細川哲夫実行委員長があいさつ。多くの参加に感謝した上で、「地方からの情報発信、地域力の発信が叫ばれているが、そうした意味でも、この時期に地元を題材にした映画が作られたことは時宜(じぎ)にかなったものではなかったかと思う」と述べ、燕市の風景がふんだんに使われている映画を最後まで楽しんでいってほしいと求めた。

 同実行委員会顧問も務め、映画にも出演している鈴木力燕市長は「1日も早くできないかと心待ちにしていた」と始め、「3月以降、東京を皮切りに公開されていくことになるが、ぜひ大勢の人に見てほしい。燕市の風景満載の、ある意味、燕市そのものが主人公という映画ではないかという印象を持っている。燕市役所でも市報に毎回掲載して機運を高めているところだが、燕では六月から上映されるということで、皆さんはその前に見ることができる。ご近所や友だちにどんどんPRしてもらって、この映画が全国、燕市民の皆さんに愛される映画になってくれれば」と映画の成功を願った。

 その後、さっそくトークショーへと移り、主人公・田上陽介役の中山さん、主人公の父・田上大介役の三田村さん、7・13水害で他界した主人公の母・田上ゆかり役の相沢さん、ヒロイン・宇佐美那枷(ともか)役の納谷さん、ナシモト監督が登壇した。

 あいさつで映画について説明した中山さんは、「燕市出身のタオ監督が、こだわりにこだわった、新潟、燕市のいいところがつまった作品になっていると思います。燕にいる皆さんなら幾重にも、いろんな味が楽しめると思います」と、ナシモト監督も「何度も何度も見ていただけると、新しい発見をしてもらえるように作ったと思っています。いろんなことを読み取れるよう、どの年齢層の人でも楽しんでもらえると思います」と映画の奥深さについて触れた。

 今回が親子初共演となった中山さんと三田村さん。映画でも親子を演じたが、やりやすかったこと、やりにくかったことを聞かれた中山さんは、「撮影が始まる前まではどうなることかドキドキしていましたが、カメラの前に立ってみると、そこに三田村邦彦はいなくて、陽介の父がいてくれるので、自分もその世界にスーッと入っていくことができて、親子というより、芝居することなく陽介と大介という関係性を築けたと思います」とやりにくさは無かったと答え、三田村さんも「撲はものすごくやりやすかった。親子でなくてもやりやすかったのではないかと思う」と、ロケ後にもあった親子共演の様子も紹介し、プロの役者としての息子を評価した。

相沢さん
納谷さん
 新潟県の観光特使も行っている三田村さんと相沢さん。燕市での撮影について聞かれると相沢さんは「燕というとラーメンのイメージで、映画にも出ている広州飯店さんの背油たっぷりのラーメンがすごく好きです。新潟のラーメンはすごく熱いのに、それを東京の人に話しても理解してもらえなくて。それがすごく悔しくて」と、全国の人に、映画を見て、ラーメンも食べにきてほしいとした。

 映画で重要な役割を果たす「鉄魔人」を作りたくて応募し、見事にヒロイン役を射止めた納谷さんは、初めての映画出演について「台本をもらっても全然分からなくて、最初は聞いてもらったりして」と、悩みながら演じたロケの様子をおもしろおかしく紹介した。

 普段は東京で暮らす中山さんは、燕市での撮影を「東京でもカメラが回って、俳優さんがいるのは珍しくて、人が集まってきて、撮影ができなくなることがあるんですけど、燕でやっていると、それほど騒ぎになるのではなく、逆に協力してくれて非常にありがたかった」と、一般の人も非常に撮影に協力的だったと感謝した。一方で方言については、「若い人と話すと大丈夫なんですけど、30代、40代を超えてくると方言がワーッと来て、何を言っているのか8割分からなくて、通訳してもらっている状況でした」と笑った。

 自分の出身地で映画を撮影したことについてナシモト監
中山さん
三田村さん
ナシモト監督
督は、「自分が吉田出身なので、最初に吉田の絵が浮かんで、その後に、燕や分水の知り合いからロケハンを重ねていったので、非常に発見がたくさんありました。当たり前の日常風景は吉田をすごく使ったんですけど、キーになるところは分水や燕に振り分けた感じです。印象的なシーンは、自分も感動した場所を使いました。僕にとってももう1度、燕市と出会い直した、発見し直せた、いい絵を撮れました」と話した。

 最後にナシモト監督が、「東北の地震から1年。撮ろうと準備している時に起きて、映画を撮っているご時世じゃないだろうとなりました。ただ、この映画のきっかけになったのが7・13水害。燕地域はそんなに被害はなく、対岸の火事的なところが無かったかと言えばうそになる。しかし、身近のいろんな人たちがいろんなものを喪失してしまって、そこから立ち直っていく姿をとなりで見ていた感じがありました。その時に、この映画を着想しました。それが全国規模で起こっているので、『頑張れ』ではなく、日常を一生懸命に一緒に生きて、自分のできることをやっていこうねと寄り添えあえることが燕という地域だと思っています。それをキャストの素晴らしい演技で出現させることができたと思います」と締めくくって、トークショーを終えた。

 その後、約300人が映画を観覧。見慣れた風景や人々が登場するスクリーンに最後まで釘付けだった。

 なお、アノソラノアオは今月31日(土)に、東京のユーロスペースでの公開を皮切りに全国で順次公開され、県内では6月から公開。ワーナーマイカルシネマズ県央、ワーナーマイカルシネマズ新潟、ワーナーマイカルシネマズ新潟南で上映される。 
                          (石山)
 2012年03月12日本紙掲載