7月までに試験焼却
國定市長、条件付き見直し
 新潟県の國定勇人三条市長は、13日の定例記者会見で、宮城県、岩手県からの震災がれき受入について「受入を検討している新潟、長岡、柏崎、新発田の4市と合意に至れば、(新ごみ処理施設の)7月の本格運用開始までの間に、試験焼却ができるよう準備を進めて参りたい。4市と受入そのものの足並みをそろえるということはあまり考えていない。市によって受入施設の事情も違い、早く準備ができ次第やっていかなければならない」と、大まかな見通しを示した。

 試験焼却についてはさらに「ただちに検討している受入量を受入するということでなくて、試験焼却を行って、安全性の確認はしっかりとして、市民の皆さまにもお示ししたい」とした。会見では、震災がれきや放射性物質に関する質問が大半を占めた。

 國定市長は「まだ、最終的な合意形成には至っていない」と断った上で、受入の前提条件としている放射性セシウム濃度1キログラムあたり100ベクレルの安全性を「1年間あたり0・01ミリシーベルトで、震災以前に日本人が自然に受ける放射線量が1・48ミリシーベルト」と説明。こういった事項について理解を深める市民向け学習会の開催にも触れた。

 1キログラムあたり100ベクレルの数値は「焼却前の数値」とし、「三条市の新ごみ処理施設と同じ流動床方式で約16倍、ストーカ炉で約33倍と、受入市によって濃縮度にバラツキがある。三条市とほぼ同じ方式の、静岡県島田市の試験焼却の例で、がれきの混焼率15%、一般廃棄物が85%で、焼却灰の放射性セシウム濃度が1キロあたり64ベクレル。基本的には受入段階のものを100ベクレルととらえていこうと思っている」との考え。

 市民の反対意見について問われると「市民の反応はほとんどない。検討を表明した昨年11月の方が反対の声が多く、それもほとんどが市外や県外。(市民には)冷静に受け止めていただいていると思っている。私自身が接する範ちゅうでは、『何でこんなに受入のスピードが遅いのか』という声を多く受け止めている」とした。

 受入に消極的な新潟県の姿勢については「県と対立する訳ではないが、現行法制上、市町村事務であって、県がイエスとかノーとか言う立場でない。これまでの運用上で、県がマッチングする慣例があった。県がマッチングにご協力いただけるのであれば、ご協力いただきたいが、万一、県にご協力いただかなくとも乗り越えられない壁ではない」としながらも、国が都道府県に震災がれき受入を要請することが「追風になる」と、県の協力に期待した。

 三条市では4月から、学校や保育所の給食用食材の放射性物質検査を市独自で実施する予定で、県の行う学校給食食材の検査には参加しない方針。

 國定市長は市では精度の高い機器による検査を民間機関に依頼して行うため「県が用意する簡易型測定機器による検査には参加せず、より精度、確度の高い安全安心をお知らせしたい。本来、放射性物質が微量あるのにも関わらず、簡易な測定器であるがゆえに、濃度測定が測られてしまう可能性が否定できない。それは結果として風評被害を広げかねない。県から積極的に働きかけをいただいたが、三条市としては参加できないということで、より精度の高いゲルマニウム半導体検出器による検査を行いたい」と説明した。検査結果はホームページで公表し、厚生労働省の定める規制値以下の食材は通常通り使用し、規制値を超えた場合は使用しない。
                                               (外山)
 2012年03月14日本紙掲載