普段の暮らしの中で防災
「最善の行動」は自ら考えること オール世代防災ワークショップ
 2017年12月10日本紙掲載
 地域の防災組織や防災や災害について学ぶ学生らが一堂に会して、それぞれが持つノウハウや経験を共有、継承していくオール世代防災リーダーワークショップが12月9日、新潟県の燕三条地場産業振興センターで開かれ、三条市、燕市、加茂市、田上町、弥彦村の中高生やまちづくり協議会、生活改善推進員協議会関係者、さらに新潟県立大学や新潟医療福祉大学の学生らが発表やパネルディスカッションを行った。

 新潟県三条地域振興局と各市町村、NPO法人にいがた災害ボランティアネットワークの共催。三条地域振興局健康福祉環境部の後藤一安部長は「この地域は複数の自然災害の脅威を体験し、代償も伴いながら、貴重な経験と教訓を得てきた。それらのノウハウにより学校、地域、家庭で防災に関するリーダーが活躍する地域でもある。これらの防災リーダーが一堂に会し、1人ひとりが積極参加することが、県央地域の防災の取り組みを次の世代に引き継ぐ契機に」と、催しについて説明し、期待を込めた。

災害食づくり ワークショップでは、全国の災害被災地で復旧・復興ボランティア活動の支援などを行っている、にいがた災害ボランティアネットワークの李仁鉄理事長が「地域を支える防災リーダー、県央地域での活躍への期待〜頻発する自然災害への対応に関する全国的な動き〜」と題してレクチャー。

 李理事長は、三八豪雪、新潟地震、羽越水害、近年では7・13水害、中越地震、中越沖地震、7・29水害と県内で起こった自然災害を引き合いに「過去10年、全国で災害ボランティアセンターが立ち上げられた回数を見てみると、長岡市が15回で断トツの1位、次いで柏崎市の9回、十日町市、魚沼市の3回と続き、災害対応で新潟県はぶっちぎり状態。ボランティアセンターを立ち上げないという選択肢もあり、助け合いの拠点作りに対応してきたとも言える」と、県内では災害の多い10年であったことや、災害への対応について話した。

 避難情報の伝達、避難生活時の食事、復旧、復興、火災を含めて災害による町への影響など、「防災はゴールのあるものではなく、防災の幅はすごく広い。だからこそ防災をバトンリレーし、次世代の防災力を育てていく。ただ、いつ起こるか分からない災害に対して、かけられるコストは多くない。だからこそ、むちを入れるだけの防災ではなく、自発的にみんなでやろうと言いだしてもらえるよな、普段の暮らしの中で行う防災を」と投げかけた。

 パネルディスカッションでは、第四中学校の防災教育、燕第一まちづくり協議会の防災訓練、NPO法人トライフューチャーの防災リーダーをづくり、弥彦村立弥彦中学校のボランティアの防災訓練、田上町食生活改善推進委員協議会の災害食と、それぞれの取り組みを紹介。

 第四中学校では、洪水、土砂、地震、原子力などさまざまな災害を想定した防災教育プログラムから「生徒の生活圏に関わる内容をピックアップし、生徒とつなげることでより効果的に」と取り組み、ハザードマップ上に生徒の家を表示させたり、「今まで大丈夫だった」、「誰も避難していない」などと災害時に避難しない人の心理行動なども学んだ。

 発表した生徒は「『最善の行動』は難しいが、あらかじめ決められた行動ではなく、自分の安全を確保し、小さな子どもやお年寄りと避難する。みんなが避難していないではなく、自分から動かなければ命を守ることができないと思う」と述べた。   
                                              (外山)