つばめ産学協創スクエア、1月竣工
今年19事業者、60人インターン受け入れ
 新潟大学など高等教育機関の学生を新潟県燕市内の企業で受け入れるインターンシップ(就業体験)のための宿泊・交流施設「つばめ産学協創スクエア」が、同市宮町の旧高橋書店跡地に来年1月末に竣工する。インターンシップを市内での就業などにつなげるだけでなく、学生が市内企業を認知するとともに大学による企業情報の発信と、「燕の産業を知った学生が将来、企業の設計や外注担当になることを考えれば、工業出荷額を増やす意味もある」という。

 つばめ産学協創スクエア事業は、インターンシップの受け入れ先、就職先などの企業情報を求める大学などに対して、情報発信や受け入れのマッチングを図ることで、将来、優秀な人材の確保のつなげていこうという事業で、燕市は今年度に約1250万円を予算化し、市内企業有志で立ち上げた一般社団法人つばめいと(現在は公益社団法人)が業務委託を受け、新潟大学工学部などと連携して事業を推し進めている。

 12月19日、燕市役所で開かれた同事業推進協議会では、これまでに19事業者で、留学生を含む60人の学生を受け入れたことや、参加企業拡大を図るためのセミナー開催、事業の今後の推進計画を説明した。

 受入学生の内訳は、新潟大学やカンボジア、ラオス、ベトナム、タイからの留学生に加え、武蔵野大学で、学生からの申し込みで長岡造形大学、長岡大学、東京農業大学、神奈川大学からもインターンシップに参加した。

 企業セミナーには延べ80社が参加し、つばめいとでは個別訪問などで約百社にも周知を図った。大学などでも長岡技術科学大学、長岡高専、長岡造形大学が燕市内でのインターンシップに前向きという。

 協議会では、新潟大学工学部の坪井望副学部長が燕市内でのインターンシップが学生にも好評で「私どもとしては成功だったと認識している」と事業を振り返り、「就業体験に留まらず、企業の課題に対して学生なりに考え、発表を行うもので、学生の考える姿が企業の活動にプラスになれば」と述べた。

 学生を受け入れた燕商工会議所工業部会の長谷川克紀部会長は「社員が自社について自信をもってしゃべることができるクセがついた。学生から『このホームページでは分かりません』と指摘を受け、あらたに求人サイトを作成している」と振り返り、効果を語った。

 一方で、田野隆夫燕商工会議所会頭は「国の補助金も利用しているが、国の補助金は3年ほどで切れる。補助金が切れたとしても覚悟をもって続けることができるのか」と投げかけ、鈴木力市長は「成果を出し、市単独でもやれるところまでもっていく。メリットを受ける企業に一定程度の負担をもらう可能性もあるが、3年で止めるという事業ではない」と答えた。

 つばめいとの山後春信代表理事も「平成30年度までは補助金でまかない、31年度からは会費制として、2万円から5万円の範囲で会費をもらう段取り。交付金がなくなってもやっていけるところをめざして、魅力作りに努めている」と自主財源の確保を検討しているとした。

 インターンシップから就職につなげる意味で、まだ目に見える成果は出ていないが、坪井副学部長は「学生は就職するための選択肢として燕の企業の中身を知り得た。大学としても取り組みをウェブで公表するなど、企業の情報発信のインパクトは小さくない」と話した。

 長谷川工業部会長も「10年先まで継続したとすれば、何千人という学生が燕の企業を知り得ることになる。就職につながらなくとも、大手を含む企業に分散していくことで、燕の工業出荷額が増えることこそがゴールだ」と事業の意義を語った。

 つばめ産学協創スクエアは木造二階建てで、床面積255・04平米。1階に約50人が収容できる研修室、コーデイネーターなどの事務室、2階には食堂や1室4人の居室が3部屋設けられている。建設費は市内企業から寄付を募って賄い、市に寄贈する予定だったが、税務上の問題などで一旦はつばめいとの所有とする。

 施設の管理運営はつばめいとが行い、同施設内に事務所を置く。大学、学生、市内企業だけでなく地域住民との交流も視野に入れていて、施設利用で発生する費用は学生の受け入れ企業が負担して学生の負担を軽減する。

 つばめいとでは市内企業に対して、建設費の寄付や、「ショールムーム効果」も期待できると、施設で利用する備品類の寄贈も呼び掛けている。
                                               (外山)

 2017年12月22日本紙掲載