着々進行、部品かたちに
フィギュアスケートブレード開発研究会
 新潟県燕市の地場産業である金属加工の技術を生かして、既存のフィギュアスケート用ブレードより高品質なものを開発、将来的なオリンピック選手の採用を目指すとともに、燕市の新たな産業として確立し、市内産業のPRを図ろうというという、市と市内の有志企業などからなるフィギュアスケートブレード開発研究会は、1月17日午後1時30分から、燕市吉田下中野、(株)柳田製作所の工場内で、切削などの加工が施された試作品の部品を公開。同研究会の関係者や各メディアが駆け付けた。

 同研究会は、市内企業八社に加えて、オブザーバーとして、燕三条地場産センター、県工業総合研究所県央技術支援センター、県立三条テクノスクール、県スケート連盟が参加している。加えて、試作や材料調達などの面で会員とは別に協力企業もいくつか参加しており、今回、レーザー切削加工に携わった柳田製作所もそのうちの1つ。

 昨年8月の第1回会合から活動がスタートしており、今年度は製造ノウハウの構築や基礎研究を目的に、大手メーカーのモデルをコピーし、実際に使える段階まで試作して、試走まで行うことを目標にしている。

 今回公開された部品は、サイズなどは大手モデルと一緒だが、素材についてはより高品質な、氷を削る刃などに使われるものなどを使っている。同プロジェクト立ち上げのきっかけとなり、今回、オブザーバーとしても参加している県立三条テクノスクール指導員で県スケート連盟理事長でもある伝井達(つたい・いたる)さんは、「従来品は、鉄にメッキしたものが多いが今回はステンレス系の素材。日本(の競技者の中)では普及していないもの」と説明し、「重さは従来品と大きく変わらないが、今後は軽量化などもしたりするかもしれないので」と、今後もさらなる改良の余地などを考えた上での選択と語った。

 今回、公開された部品は、ブレード本体と、靴とブレードを接合する金具で、その出来栄えについて伝井さんは「想像した以上に切断面がきれいで、すぐに使えそうだと思った」と納得した様子。

 また、包丁などでは扱うことのない厚いステンレス系の素材を切断加工した同社の柳田健治社長は、初めての経験ながら「切断できるのであれば、問題はないと思います」と話し、今後のプロジェクトの成功を楽しみにしていた。

 今後は、バレル研磨やバフ研磨などの表面処理や焼き入れ、溶接などを各企業で試行錯誤しながら取り組んでいき、年度内の試走を目指していく。

 同研究会の会長である燕市杣木、(有)徳吉工業の徳吉淳社長は、「今までは図面でしかなかったので、ようやく形になってきたな、という感じですね」と目を細め、「これから溶接でひずみが出てくるかもしれないし、焼き入れも難しいところだと思いますが、みんなで知恵を出し合って個々の工程を追求できればいいです」と話していた。
                                               (細山)

 2018年01月18日本紙掲載
燕市