「日本の企業様、ぜひともアフリカへ」
開発金融機関総裁らが三条来訪
 南部アフリカ開発銀行協会のスチュアート・クフェニ総裁をはじめとする視察団は10月1日、新潟県の國定勇人三条市長を表敬訪問し、中小企業振興について意見を交わした。

 南部諸国の最重要課題と位置づけられている零細中小企業の振興について、三条市を含め日本の施策・成功例から学ぼうと来日したもので、視察団にはクフェニ総裁をはじめ南部アフリカ諸国の開発金融機関の総裁ら10人以上が名を連ねた。

 三条市には9月30日と10月1日の2日間滞在し、三条鍛冶道場、燕三条地場産業振興センター、市内企業を視察した後、三条商工会議所で金融機関担当者も交えて意見交換会を行い、三条市役所で國定市長を表敬訪問した。

 1日午後4時ころ、三条市役所に到着した一行は、國定市長らと面会し、意見交換。クフェニ総裁は冒頭のあいさつで、今回の視察について「さまざまなところを見せていただき、大変感銘を受けました。こちらで学ばせていただいたことを持ち帰り、今後に生かしたい、生かせると思っている」と、手応えを口にした。

 続いて、國定市長が三条市の産業について説明。三条市と同じく金属加工の集積地である東大阪市、東京都大田区と比較しながら、「バブル崩壊当時、私たちはこの2地域と比べはるかに低いパフォーマンスだったが、この25年間、彼らと違ってほぼ横ばいを続けており、その結果、現在では私たちの方が、ものづくりの観点で持続可能性を手に入れることができたと言える」とし、その理由として「私たちは、人口10万人の地方都市。東京や大阪、あるいは中国のように大きな資本を持っているマーケットに負けないだけの企業をつくり続けるためには、一定の価値観を共有することが大事だと思っている」と強調。イタリアのフェラーリを例にとって、「フェラーリは、1台100万円の車を絶対に作らない。なぜなら、そうやった瞬間、私たちのトヨタに負けるから。つまり、大量生産を志向するのではなく、ニッチでディープなマーケットを追い求めていくことに、私たちの生き残る道があると思っている。大量生産をして、価格競争に巻き込まれるという道は選ばない」と主張した。

 加えて、「究極的には、1つ1つのユニークなオーダーを、1つの大きなプロジェクトとしていただいて、その顧客に合った製品をしっかりとつくれるように展開していきたい。これを、私たち行政だけでなく企業の皆さん、支援される各機関の皆さんが意識を共有することがとても大切」とした。

 クフェニ総裁は、「私どもとしては、ぜひとも日本の企業様に、アフリカに来てほしいと思っている」、「ご存じの通り、アフリカの市場は今すごく成長し続けている」と、アフリカ進出のメリットも踏まえてラブコールを送った一方で、「(日本とアフリカの)距離が遠いために、なかなか取り引きができないと、先程もお話しいただいたところ」と課題を挙げた上で、「そんな中、距離を縮めるためにも、学生なり、研修生なりという形で相互関係を持ちたい。こちらの研修生を受け入れていただいたり、そちらの方から専門性を持っている方をアフリカにご招待いただくとか、そのような具体的なことで相互関係を持っていければ」と呼びかけていた。
                                              (山口)



 2018年10月10日本紙掲載