三条鍛冶集団初の叙勲、技術探究に終わりなし
池田慶郎さん、瑞宝単光章
 新潟県三条市荒町一、池田鑿(のみ)製作所の池田慶郎さんが金工品(越後三条打刃物)製造従事者として功労があったとして、叙勲「瑞宝単光章」を受章し、11月22日、三条市役所で國定勇人市長から伝達を受けた。三条鍛冶集団で叙勲を受けたのは池田さんが初めて。

 池田さんは中学を卒業後に家業の池田鑿製作所に就職し、職人としては62年の経歴で、「小学校高学年の時から家の仕事を手伝っていましたので、商売を継ぐと決めたのは中学2年頃」という。三条鍛冶集団筆頭師範、伝統工芸士、にいがた県央マイスター、県知事が認定するにいがたの名工で、平成28年には厚生労働大臣が表彰する「現代の名工」にも選ばれた。

 勲章と勲記を受け取った池田さんは「身に余る光栄で、自分でも信じられない気持ち。今でも、おれがもらっていいのかという感じで、手がふるえるくらいありがたいこと」と話し、國定市長が重々しく勲章を披露すると「すばらしい、すごいものですね」と自らの受章がまだ信じられないといった様子だった。

 池田さんは「皆さんのおかげです。鍛冶集団のみんな1人ずつもらってもいいくらい」と話し、國定市長はこれを受けて「これを皮切りに、皆さんがもらえるようになればすばらしい」と話していた。

 鑿鍛冶として功績があっただけでなく、㈿三条工業会の伝統的鍛冶技術継承事業の実技師範として後進の指導にもあたり、現在の三条鍛冶道場の礎となるような体験活動にも尽力した。三条市と三条鍛冶集団が実施した新規鍛冶人材育成事業では、南魚沼市出身の竹村徳和さんを職人として育て上げた。

 池田さんは「これで終わり、極めるということのない世界。120歳までとは言いませんが、できる範囲で仕事をがんばりたいと思っています」と、職人歴60年を超えてなお、技術の研さんに勤しみ、よりよい刃物を作り続ける考え。          (外山)



 2018年11月23日本紙掲載