宣言することで道拓く、キママニ食堂
創業交流実践カフェin三条
 独立創業を経験し、軌道に乗せた経営者から体験談を聞き、創業を目指す人や創業まもない経営者の参考にしてもらったり、お互いに交流してもらおうという「創業交流実践カフェ」が12月9日、新潟県三条市林町二、キママニ食堂で開かれ、同食堂を2015年に開店した斉藤秀和さん、亜津子さんの夫婦が店のコンセプト決め、立地探し、資金調達、スタッフ教育など、想像以上に大変という経理まで、ざっくばらんに話した。

 斉藤さん夫婦は「経営者に必要なことは決断力と行動力。やると決めたら、それを思い続け、周りに宣言する」、「最悪の事態を見据えて行動すること。当店で言えば、冷蔵設備が壊れたら営業できず売上が立たない。その対策を考えている」などと出席した人たちにアドバイスした。

 新潟県信用保証協会が主催したもので、実際に創業した人の店舗を会場にした創業交流実践カフェは、新潟市、長岡市での開催に続いて3回目。同保証協会では創業を考える人たちを「みなし中小事業者」として創業支援業務に力を入れており、実践カフェでは体験談や交流会に加えて、創業指導の専門家の講義も行った。

 キママニ食堂は羽釜炊きのごはんと、旬の食材を多用したおかずでバランスの良い食事を居心地のよい空間で食べられること、亜津子さんの趣味を生かした「ナイトラン」などイベントを通じた交流が受け入れられている。創業にあたり、同保証協会、日本政策金融公庫、第四銀行が業務提携して行う創業支援で初の融資を受けた。

 働く人たちをメーンターゲットに据えて、忙しいランチタイムでもスピーディーに提供でき、待ち時間を過ごす惣菜ビュッフェなども設けて、ほっとする雰囲気の店作りを心掛けた。お客に加えて、一緒に働く人にも喜んでもらう、街に溶け込むことも信条にしていて、お客として初めて来店しアルバイトとして採用された人もいる。

 出店場所は主要道路に面して駐車場を確保できるなど条件には合致していたものの、同じビルに消費者金融が多数入居していることを不安視する知人もいたというが、同食堂の出店後に「まちが明るくなった」という声や、「キママニ食堂があったから同じビルに入店を決めた」と美容室も新規開店した。

 開店後は「思った以上に人手が必要」で、公の補助金を利用したため報告書作りにも追われたが「経理の専門家に任せるばかりでなく、創業するからにはある程度の、自分で把握することも必要」とも。開店準備からお客との出会いまで「創業しなければ知り合うことができなかった人たちとの出会い」がやりがいで、今後は「正社員としてスタッフを採用する」、「キッチンカーを使ってイベントに出店する」、「朝食メニューも出せるようにして1日の食事を提供できるようにしたい」と目標も示していた。            (外山)



 2018年12月12日本紙掲載