田巻堅太郎氏孫娘、高橋さんの教室
椿寿荘でポルトガル刺繍展
 新潟県田上町、豪農の館椿寿荘は、築100周年を記念して、6月16日と17日(日)の2日間、東京都目黒区を拠点にポルトガル刺繍の教室を開いている作家、高橋泰子さんと、その生徒らによる作品展を開催した。

 椿寿荘は、地域の豪農、田巻家の離れ座敷として1918年に当時日本3名人の1人とうたわれた宮大工、松井角平の手で建てられたもので、全国から集めた銘木などをふんだんに使った書院造で美しい庭園は、毎年、多くの見物客が訪れる人気の観光スポット。今回展示する高橋さんは、椿寿荘を建てた田巻堅太郎さんの孫娘で、以前にも1度、同館で展示会を開き好評を博しており、今回、100周年の記念の年ということで改めて展示を行った。

 展示されたのは、ポルトガル刺繍の絨毯が中心で、壁に飾るだけでなく、座敷の畳の上にも並べてあり、同館の書院造の雰囲気と合わさり、不思議な空間を演出している。いずれの作品も厚手で、それぞれヨーロッパ風のものからオリエンタルの動物をあしらったものなど多彩で、時代や国籍を感じさせない展示となっていた。

 また、会場では小作品の販売のほか、東京から高橋さんの生徒も応援に駆けつけて体験コーナーも実施していた。

 目黒区の区展などでも作品を発表している高橋さんは今回の展示について、「ポルトガル刺繍の絨毯はどれも大きいので、なかなか目黒では展示するのが大変ですが、こちらは広いので、こういう形で飾らせてもらいました」と話した。

 また、椿寿荘については、「子どものころは、いつも閉まっていました。母屋から廊下で行き来できるのですが、重いドアがあったのを覚えています。あくまでお客様をお通しするところでしたね。印象に残っているのは、父が亡くなったときに、ここでお葬式を挙げたことです。すでに東京に住んでいて、高校時代でした」と話していたほか、庭園を眺めて、「昔は奥の方に、母の土蔵があって、祖母の土蔵があって、その奥には米蔵もありました。セミをつかまえたり、銀杏の木があって匂いが気になったり、よく覚えています」と目を細めていた。                                 (細山)



 2018年06月17日本紙掲載