開湯280年、旧温泉街の風情にため息
湯田上温泉あじさいまつり、7月1日開園式、百万遍念仏
 新潟県の護摩堂山湯田上温泉あじさいまつりの一環で、開湯280年を迎えた温泉郷の中でもかつての風情を残す旧温泉街を舞台にした「湯のまち巡り」のメーン展示が、6月30日、7月1日の2日間開催された。あじさいまつりでは、1日午前9時30分にあじさい園開園式や出店販売、正午には護摩堂太鼓も披露された。

 湯のまち巡りは、田上町コミュニティセンターをメーン会場に、旧温泉街、湯田上温泉の各ホテル、旅館、周辺の寺院にアートやクラフト作品、コレクションなどを展示、販売するもの。コミュニティセンター、旧共同温泉浴場ゆごや会場には飲食ブースも設けられている。

 30日午後に開かれた「旅館館主と行くガイドツアー」では、温泉街で生まれ育った末廣館館主の細井廣行さんを案内役に、旧田上小学校跡地のコミュニティセンターから、明治天皇が明治11年の北陸御神幸の折に通られたと伝わる旧道跡、越後七不思議の「つなぎがや」の了玄寺、旧源泉場、ゆごや会場、「薬師の湯」の由来となったとされる薬師堂、華蔵院と約1時間かけて巡った。

 細井さんは、旧源泉場は円福院の所有地にあり、独占することもできたがそれでは地元が潤わないと、時の支配藩に調停を依頼し、定められた規則が湯田上温泉について現存する最古の文献で、これが元文3年(1738年)だったことから今年で開湯280年
となっていることや、幕末の志士で新撰組の前身にあたる浪士組を組織した清河八郎が諸国漫遊の際に、湯田上温泉に滞在したことなどに加え、「湯田上は坂が多く、薬師堂は唯一の平らな場所。ここまで自転車を持ってきて練習をしたものでした」と温泉街で生まれ育った等身大の逸話も織り交ぜていた。

 華蔵院茶室前には、一面の苔にナツツバキの花が落ちていて、ツアーに参加した人の中には「京都の苔寺のよう」とつぶやく人もいた。

 コミュニティセンターでは新潟中央短期大学幼児教育科の学生らが、手形であじさいを描く催しや、親子で遊ぶことができる「asobi基地@新潟」を開催。子どもたちが元気に遊ぶ声が響いていた。

 湯のまち巡りメーン展示は、1日午前10時から午後4時までで、ゆごや会場では足湯、薬師堂では午前11時から薬師如来法要と百万遍念仏が執り行われた。 (外山)


 2018年07月01日本紙掲載