安心安全な温泉地、入浴客にも啓発を
西蒲消防署が岩室温泉でヒートショック予防講習
 ヒートショックが増える冬場を迎え、新潟県の新潟市西蒲消防署と岩室温泉は1月9日、旅館やホテルなどのスタッフを対象にした予防対策の研修会を新潟市西蒲区岩室温泉、ゆもとやで開催し、スタッフは、ヒートショックの予防対策や万が一発生した際の救命法について学んだ。

 新潟市では毎年250件ほどのヒートショックが発生しているが、昨年は1年間で約300件と例年に比べて多かったこともあり、多くの入浴客が訪れる岩室温泉で講習を行ったもの。

 講習は、地元の岩室出張所の救命救急士を講師に行われ、前段で入浴事故の現状と予防対策についての座学、後段で心肺蘇生法やAED操作法についての救命講習が行われ、14人が参加した。

 座学では、新潟市で発生した入浴事故を分析して、65歳以上の高齢者で多く発生していること、自宅と施設では症状の重さが変わることなどが説明された。

 また、予防対策としては、脱衣所は暖房器具などで暖めて、浴室では浴槽のふたを開けたり、壁や床にシャワーで温水をまいたりするなどして温度差をなくすこと、湯の温度は暑すぎず、つかる時間は10分程度、湯船から出る時はゆっくり立ち上がることなどをポイントに挙げ、特に湯の温度については、「42度以上になると急激にヒートショックの症状が出てくるということが報告されています。1度変わると運命が変わるとも言われていますので気を付けてください」と41度以下にすることの重要性を説いた。

 最後に岩室出張所の担当者は、入浴客への啓発活動や職員教育の実施などを求めた上で、「温泉は観光の大きな柱です。入浴施設が温泉入浴時の事故を減らす取り組みを連携して行い、安全に温泉を楽しめる入浴施設になることができれば、温泉観光地としての大きな魅力になります」、「入浴施設の取り組みを温泉観光客が理解し、事故防止対策を家庭での入浴時の事故防止として実践することにつなげれば、入浴施設が地域の安全安心に大きく貢献することになります」と、その意義も伝えて、座学を終えた。

 救命講習は2人1組になり、浴室内で意識を失った人を抱える方法や、心肺蘇生法、AED操作法と一連の流れで説明。心肺蘇生法では「救急隊と交代するまではやめないこと」と、反応がないうちは続けること、AED操作法では「体がぬれている場合は表面をふいてください。ぬれているときちんとショックが与えられないことがあります」などをポイントに挙げていた。    
                                                (石山)
        


 2019年01月10日本紙掲載