垣根越え、創意工夫の食事会
加茂市の日本料理人集団「よつば会」
 新潟県加茂市内の日本料理店の有志らがつくる「よつば会」は、年に1度、それぞれの店舗の顧客らを招待した食事会を開き、好評を得ている。

 よつば会は、「普段、店ではやらないことにチャレンジする場」であるため、食事会に並ぶ料理の数々は、いずれもメンバーそれぞれの個性、アイデアが色濃く反映された独創的なものばかり。結成当初からのメンバーの1人である「うお清」の横山純一さんは、「例えこの会がなくなったとしても、このつながりを大事にしていきたい」と、店舗の垣根を越えて生まれる交流が財産だと語る。             
                                                (山口)

ことしの食事会 よつば会は、技術向上や交流、そして「加茂を盛り上げたい」という思いで、加茂市内4店舗の料理人が10年ほど前に立ち上げた。現在のメンバーは横山さん、割烹阿部の阿部大輔さん、日本料理きふねの佐藤康夫さん、清雲亭山重の真柄友朗さん、割烹有本の有本優哉さん、三条市の料亭「一富」の長谷川力さんの6人で、30歳代後半が中心の、若い力にあふれるグループだ。

 その年の食事会が近づいてくると、メンバーは日々の仕事の合間をぬって集まり、出品予定の料理を持ち寄った試食会を開く。そこで意見を出し合い、試行錯誤しながら当日に向けて準備を進めていく。

 「チャレンジ」をモットーにしているため、「独創的すぎて『これ、何!?』と思ってしまうような料理が出たりします。遊び心たっぷりで、やっていてとても楽しいですね」と笑う横山さん。「料理については、どちらかというとお客様からのダメ出しを大事にしています。それを次に生かしていくことを心がけていますね」。

 食事会の会場は、メンバーの店舗持ち回りで、ことしは8月下旬に割烹阿部で開催。季節柄、「夏祭り」をテーマに、トウモロコシとナスを使うことを共通のルールとしたコース料理を作り上げた。

 有本さんの「鰻と金魚の泳ぐ茄子茶碗蒸し」を皮切りに、真柄さんの「夏の夕涼み」、横山さんの「茄子で提灯」、長谷川さんの「甘鯛小太鼓 うろこ揚げ 鮎冷静スープ燻製」、阿部さんの「1本480円の茄子ポッポ焼き」、佐藤さんの「焼き茄子と素麺の太鼓ゼリー スッポンスープ」の順番で提供。最後に、デザートとして「とうもろこしのブランマンジュ 焼き茄子ソース」を付けた。

 食材の使い方、料理のモチーフなどアプローチは作り手それぞれだが、いずれの料理も祭りの風情を感じさせる、アイデア満点の1品。この日集まった客の舌をうならせ、会場は和やかな雰囲気に包まれていた。

 ことしの食事会を終え、阿部さんは「お客様の声を、皆カバーする難しさを理解しました。で、基本に戻ると、自分自身が楽しむことを第一に考えた今回でした。目的は達成できたと思います」、佐藤さんは「自分はどう考えて料理を作っていけばいいか、『自分の料理とは』を追求するいい機会になりました」、真柄さんは「普段している仕事とは違って、自分で考え、作った料理を食べていただき、率直な感想を聞けるのは、とても勉強になりました」、有本さんは「普段主役にならないナスやトウモロコシがメーンだったので大変でしたが、みんなで協力して楽しくできたのでよかったです」、長谷川さんは「普段やらない料理ということで、なかなか大変ではありますが、刺激を受けております」と、それぞれ振り返った。

 来年は「うお清」での開催を予定しており、横山さんは、「今まで何度もこの会をやってきて、正直苦しい部分も増えてきましたが、仲間のおかげでその苦難を乗り越え、楽しくできるようになりました。次回も、みんなで頑張っていきたい」と意気込む。

 2017年10月26日秋季特集号掲載