界面活性剤ゼロ!社員にも、地球にも優しい
ぜんていグループ渡邊社長開発、業務用マルチ洗浄剤「スゲエール」
 海鮮系のメニューが人気の居酒屋チェーン「ぜんてい」グループを運営する新潟県加茂市芝野、(有)村将軍の渡邊久二社長が開発した業務用マルチ洗浄剤「スゲエール」が話題を呼んでいる。

 身体や自然環境に害を及ぼすおそれのある界面活性剤を使わず、酸素と酵素の力で汚れを分解するスゲエールは、マルチな用途と高い洗浄力はもとより、利用者とエコに最大限配慮した安全性が大きな魅力。経営者自ら厨房に立つスタンスで日々腕をふるう渡邊社長が、現場目線で生み出した画期的な洗浄剤は、社員に優しく、地球にも優しい。                    (山口)

 同社は1988年創業。加茂市穀町地内にオープンした村将軍本店を皮きりに、居酒屋の「ぜんてい」や割烹の「蔵善」、イタリアンレストランの「ビストロダイニングVG」など県内に計八店舗の飲食店を経営し、「食の安全・安心」、「ほんとうのおいしさ」にこだわった料理で好評を得ている。

 飲食店を営む上でポイントの1つとなるのが、厨房で使用する洗剤の選び方。同社ではこれまで、用途に応じて幾種もの界面活性剤入りの洗浄剤を使っていたが、その影響でさまざまな弊害が生じていた。

 界面活性剤は高い洗浄力を持つ半面、その毒性や残留性が利用者の身体に害を与えるばかりでなく、下水処理によって分解、除去するのが困難なため、排水溝を通って河川や海を汚染してしまうケースが多々ある。

 洗浄剤が発するにおいも、飲食店にとっては悩みの種で、「仕事中に掃除をしたくても、においが気になるので洗剤を使いたくても使えないから、仕事が終わってからやらざるをえない。でも、一生懸命仕事をすれば疲れるので、いざ掃除となったときに『疲れたから、やめた』となる。それを繰り返してしまい、油汚れなどがだんだんたまっていく」と渡邊社長。スタッフの手荒れ、せきといった身体の不調だけでなく、においが及ぼす悪循環にも頭を抱えていた。

 そのような状況を打破するきっかけとなったのが、昨年5月に新潟市で開かれた展示商談会。そこで紹介されていた界面活性剤未使用の家庭用洗浄剤に目を付けた渡邊社長は、「こんなにいいものを、我々飲食店が使わなくてどうする」と、さっそく自社に持ち帰って実験し、その効力を体感。そこから、同洗剤の製造元の協力を得て、業務用の「スゲエール」として開発を進め、同年九月末に完成。翌月中旬から、渡邊社長が飲食業とは別に経営している会社「ワタナベ」のPB商品として、販売を開始した。

 界面活性剤を一切含まないスゲエールは、酵素と、酸素系漂白剤の主成分として用いられる過炭酸ナトリウムの力で、汚れを分解する。渡邊社長は、「酸素と酵素と力で『分解』するのが特徴で、普通の洗剤の場合は『分離』。ここが違う」と強調する。

 実際、双方の差は歴然。例えばそれぞれの溶液が入ったカップにタオルを浸すと、界面活性剤入りの洗浄剤の場合は溶液がどんよりと淀み、タオルの汚れはさほど落ちず、おまけに香料のにおいもする。だが、スゲエールの場合は、タオルが真っ白になり、溶液はきれいで酸素が見え、無香料なのでにおいもしない。高い洗浄力はもちろん、すすぎは1回で十分なので節水でき、水道代がお得な上に、業務時間の短縮にもつながる。そして、食器洗いのほか、衣類の洗濯、トイレや浴室、排水溝の掃除などにも利用できる汎用性、排水溝や自然を汚さないエコなところも大きな魅力だ。

 現在、同社の全店舗で利用しており、スタッフの評判も上々。他の飲食店からも反響を呼び、関心は徐々に高まっている。渡邊社長は、「『店の汚れさえ落とせばよい』と、その汚れが外に流れて排水溝や川を汚すところまで意識していない人は多いが、このスゲエールを使うことで、『いろいろと変わるよ』と伝えたい。汚れがよく落ちる洗剤はたくさんあるが、働いている人にも優しく、排水溝にきれいな水が流れていって、環境にも優しい、そんな洗剤が、何よりだと思います」と話していた。

 スゲエールは、1000グラム入りで税込み3700円。

 購入、問い合わせについてはワタナベ(TEL0256・52・5287/рO80・5529・1430)へ。

 2018年01月04日冬季特集号掲載