初の直営店「剣謙心」を併設 当日出荷率高める
轄竚ェ、新社屋2月本格稼働
 新潟県三条市嘉坪川一、(株)坂謙(坂井謙介社長)は同社隣接地に新社屋を建設し、2月下旬から本格稼働を開始する。包丁ブランド「剣謙心(つるぎけんしん)」の直営店やイベントスペース、自社ブランド品のショールームも設けてディスプレーの提案も行う。あえて多品種を在庫することで「当日出荷率」を高める出荷体制の再構築にも取り組み、今秋には同社主催の展示会「グランドフェア」を五年ぶりに開催する予定。

 坂井社長は「お客様に、今まで以上に支持していただける商品、出荷体制を充実させる。初の試みとなる直営店を通じ、学校の児童、生徒にも面白いと思っていただける仕組みも考えたい」と、地域内へのPRも意識している。

 約1000坪の敷地に、鉄筋3階建て延べ床面積1000坪の新社屋を建設し、本社の事務機能、出入荷の物流倉庫、包丁ブランド剣謙心の直営店、自社ブランドのショールーム、イベントスペースなどを設ける。

 現在の出入荷スペースが手狭で、運送業者の出荷締切時間が早まる中でより広いターミナルを整備する必要があり、敷地を取得したことを機に約6億円を投資する。出荷、入荷でターミナルを分け、トラックコンテナの高さに合わせて対応できる「ドッグレベラー」を設けるなど、物流機能を強化し出荷効率を向上させる。「業界は決して景気が良いわけでないが、倉庫を分散させておくより、出荷効率を上げ、会社として既存以外のルートを開拓する必要がある」と判断した。

 坂井社長は「逆張りになるが、スペースを設けることで在庫を薄く広く置いておき、当日出荷率を高める。出荷完了時間を早めることで効率も上がり、結果として顧客サービスにもつながる。そのための出荷体制の再構築を行っている」とハードと合わせて、出荷体制などソフト面でも見直しを進めていると話した。業態を問わず小売店が同社の商品を取り扱う可能性もあり、展示会への積極出展も合わせてルート開拓を行っているという。

 初の直営店となる、剣謙心は、坂謙が企画し三条市内の鍛冶職人が製造するブランドで主に2万円から3万円の価格帯、坂井社長は「今まで弊社では海外からのオリジナル品が多かったが、地元三条の品、メードインジャパンを世界へ」と海外をメーンターゲットにしている。中国、台湾でルートを開拓したほか、2月にはドイツで開かれる展示会アンビエンテにも出展予定。高付加価値な商品として一部、国内でも販売するほか、インターネットを通じた販売も行っている。

 直営店では約40種類の包丁を取りそろえ、試し切りなど直接触れて商品選びをしてもらう。新社屋にキッチンスペースを兼ね備えた研修室を設け、ゆくゆくは料理教室なども開催するという。

 直営店内には坂謙本社のPRコーナーや、一般に貸し出しできるギャラリーコーナーも設けて来店を促す、包丁を媒介に会社全体を地域に知ってもらう店作りを行う。専従社員は置かず、ヒト型ロボット「Pepper(ペッパー)」が簡単な接客や取り次ぎを行うことで、本社業務と合わせた効率的な運営とする。

 中2階に設けたイベントスペースでは社内イベントや展示会を開催する予定で、2013年に燕三条地場産センターで行った「グランドフェア」を、今秋にも五年ぶりに新社屋で開催する考え。3階のショールームでは「MEXES(メクセス)」、「ZEXON(ゼクソン)」、「矢田電気」などの自社ブランド品を常設展示する。

 新社屋完成に合わせて、人材面でも投資を行う。

 現社屋をストック倉庫として利用するほか、社員の要望に応じてトレーニング器具や卓球台、ゴルフネット、バスケットゴールなどを設けて「スポーツバーのような」福利厚生施設とする。坂謙本体で約80人、グループ全体で約100人の社員の平均年齢は30代前半と若いが、少子高齢化が進み、企業の人材獲得競争が進む中で「仕事と遊びのメリハリをつけ、楽しそうな会社と思ってもらえればと考えている。これまではどちらかというと県外が中心だったが、近くに小中学校もあり、近隣の方や生徒さんにも面白そうだと思っていただければ」と坂井社長。実際に同社へ入社した社員の中に、社内バーベキューの様子を見て「楽しそうな会社と思っていた」と話した人もいた。イベントスペースではバーベキューなどの社内イベントも行う。

 今月竣工し、下旬には事務所の引越しを行い、倉庫機能と合わせて2月下旬には本格稼働を開始する予定。出入荷の効率化と社員の士気向上などで、グループ全体約50億円の年商の2割アップを目標としている。     
                                               (外山)

 2018年01月04日冬季特集号掲載