(株)カンダ、英語版ラーメンカタログ製作
海外ラーメンブームでPR注力 「需要はある。どうやって届けるか」
 2018年01月04日冬季特集号掲載
左・稲波さん 右・神田社長 中華鍋・中華せいろ・中華包丁・中華料理向けの食器などの中華厨房関連器具を、レストランなど業務用を中心に製造販売している新潟県燕市杉柳、(株)カンダ(神田智昭社長)は、アメリカを中心に海外で日本のラーメンがブームになっていることを受け、ラーメン関連製品のカタログについて、今回から英語版を作成。さらに海外の関連見本市などにも精力的に出展し、新たな販路開拓に力を入れている。

 海外での日本食ブームにおいて「次世代の主力」とも言われる海外のラーメン事情や同社の取り組みについて、自身も熱烈なラーメンファンだと言う神田社長と、同社の海外での事業展開を担当する営業部特販・貿易課の稲波良さんに話を聞いた。
                                              (細山)
                 
 近年の全国的なラーメンブームによる国内での競争激化を背景に、海外に展開するラーメンチェーン店が増えている。

 その発端となったのは、2008年にニューヨークに出店した福岡県発祥の豚骨ラーメンチェーン「博多一風堂」。1袋20セント程度でインスタントラーメンが買えるアメリカで、1杯10ドル以上のラーメンが飛ぶように売れた。

 「やはり一風堂さんの出店でしょうね」と神田社長も語る。「日本のラーメンは、寿司やすき焼きに並ぶ一つのカルチャーになっていますよね。日本円だと1杯1500円とか2000円なのに、店では40分から50分は待たされるんです。5月にシカゴに行ったときはそういう状況でした。それに日本と違って、お店はおしゃれでした。バーが併設してあったりするんです」。

 この傾向はアメリカだけではない。発端はニューヨークだが、徐々にヨーロ ッパにも広がっている。「フランスやスペインにも行きましたけれど、ラーメン屋さんがぽつぽつとあるんです。潤さん(燕市内の(株)酒麺亭 潤)もフランクフルトに出店しました。フランスでは、夜にお店に行ったら売り切れで入れなかったですしね」と神田社長。また東南アジアなどでも日本のラーメン人気は高い。

 そうした世界的なラーメンブームにより、同社でも2年ほど前から関連の受注が増えており、海外でのラーメン人気の過熱ぶりを肌で感じると言う。「日本のチェーンから、海外に出ていくので送ってくれ、という話は増えていますね。台湾やシンガポール、そしてアメリカですね。ニューヨークやロサンゼルスです。それに、うちは12年くらい前から日本のラーメン産業展に続けて出ているんですが、今年はアメリカのテキサスでやることになって、誘われて出てきたんですよ。とにかく、すごい人でした。全米のラーメン屋さんや、これからやりたい人ですね。日本からアメリカに出る人も多いですが、今までは現地で寿司やすき焼き、天ぷらをやっていた人が『ラーメンをやりたい』と足を運んでくれているんです。反響はすごかったですね」と、ビジネスチャンスとしての期待は大きい。

 それをきっかけに、すでに注文は多い。厨房用品への関心も高いが、1番の人気は「メタル丼」。中空二重構造を持ったステンレス製のどんぶりで、料理は冷めにくく、手に持っても熱くないという特性を備えている。国内のB級グルメブームが過熱し、県央地域でもご当地ラーメンが注目された2009年に発売され話題を集めた同商品がアメリカでは人気だと言う。日本では、店舗での導入においては価格がネックになるものの、その機能性はもとより、割れないことが人気のようで、稲波さんは「やはり、日本とは扱い方違うので割れにくいことは大切なのではないでしょうか。それにロゴなどもプリントもできることを説明すると関心を持っていただけます」と話す。このほか、麺が滑りにくい塗り箸や、麺をすすれない欧米の人たちに合わせた新開発のレンゲなども引き合いが大きい。「また、向こうでは、パーティーを家庭で開く習慣があるのですが、アジアの移民の人たちの中には、そのときに麺をゆでたいので、という需要もあるようです」とアメリカならではのニーズもあるようす。

 また、衛生管理基準の異なるアメリカでは、木製の厨房用品は使えないために、素材の変更を迫られることもある。そのため、今回のカタログは日本版を英訳しただけだが、今後は本格的に海外市場を向いたカタログの製作を視野に入れている。

 同社では、海外だけでなく国内のラーメン業界も注視している。個々の店舗規模は小さく、1店当たりの需要は決して大きくないが、店舗数の多さに加え、昨今のブームにより競争が激しく、技術や用具の変化も著しい。新陳代謝も多いために常に需要がある市場でもある。目まぐるしく変化する市場だが、「たしかに需要はあるんです」と神田社長は力説する。その国内の変化は、当然、さらに大きな海外市場にも影響を与えていく。「今まで、ラーメン屋さんに営業をかける人はいなかったんです。しかし、ラーメン屋さんも意識が高くなり、レベルも上がった。そういうニーズに対応していくのは大切だし、楽しい部分もありますよね」。

 課題は、間違いなく需要がある海外にどうやって届けるか。「これからの課題は、向こうで売る人を見つけないといけない、ということです。商品の単価が安いので、送料などのコストが問題になってきます。これからは向こうで取り扱ってくれる代理店を探さないといけません。今はネットでの販売のウエートが増しているので、向こうでネットショップに対応しているところがいい」と話す。今回の英語版カタログは、そうした業者へのプロモーションも兼ねている。「配っていれば、指名されることもあるかもしれないですし、取り扱ってくれる可能性もあるかもしれません」と神田社長は、海の向こうに目を向けている。