それぞれの思い、輪をつなぐ
三条市西四日町一、 指輪工房cerchio
丸山さん 木戸さん 五十嵐川沿いの見晴らしのよい場所にある新潟県三条市西四日町一、指輪工房cerchio(チェルキオ・木戸和貴代表)は、オーダーメードのブライダルリング製作と各種ジュエリーのリフォームを軸に、お客の思いを最大限にくみ取ったサービスで好評を得ている。

 新潟市西区、(有)ARAIYAで指輪職人としてのキャリアをスタートさせた木戸さんが、当時の後輩、丸山あゆみさんとともに立ち上げた同店。2人は、さまざまな思いのこもったジュエリーで「輪」をつないで、「お客様と一緒に感動」しながら、日々の仕事に励んでいる。
                                              (山口)

 三条市生まれの木戸さんは、1987年生まれの30歳。「ものづくりが好きで、職人へのあこがれがあった」といい、三条東高等学校を卒業した2006年にARAIYAに入社。「実際に仕事をしてみて感じたのは、緻密で、地味な作業の連続だということ。手も顔も真っ黒になりながら、そのような作業の積み重ねで(ジュエリーを)作っているんだな、と。表の華やかなイメージとのギャップに驚いた」という。

 「お客様に対して初めて自分で結婚指輪を作り、それを喜んでもらえたときは感動しました。やりがいというか、『いい仕事だな』という実感を持てた瞬間でしたね」と振り返る木戸さん。その後、着々と経験や実績を積み上げ、「長い時間を共有」し、意気投合した一歳年下の丸山さんとともに独立し、2014年、イタリア語で「輪」を意味する同店をオープン。木戸さんは丸山さんに対し、「性格も得意分野もそれぞれ違って、バランスが取れていると思います。それに、ジュエリーは女性がつけることが多いので、女性の意見を直に聞けるのは強みですね」と、大きな信頼を寄せている。

 2人はともに貴金属装身具製作技能士1級と職業訓練指導員の資格を持ち、木戸さんは2014年にJJAジュエリーデザインアワード2014プロフェッショナル部門に入選、丸山さんは2010年に第48回技能五輪全国大会で金メダルに輝くなど、数々のコンテストで入賞している。

 仕事のやりがいについて、木戸さんは「お客様と密接にかかわって1つの製品を作るので、その中にいろいろなストーリーがある。そこに僕らも、お客様も感動することが多く、それがこの仕事のよさ」、丸山さんは「直に、自分の技術で人に喜んでもらえる、いい仕事」と、声を弾ませる。ARAIYAで培った鍛造製法を用い、幅広いニーズに応える木戸さんと丸山さんには県外からのオーダーも多く、「この燕三条地域が『ものづくりのまち』として有名なことも、その要因の1つだと思いますね」。

 オーダーメードでのジュエリー製作はもとより、「ウチの特色」と声をそろえるのがリフォーム。例えば、母親から譲り受けた婚約指輪を自分好みに生まれ変わらせたり、大切に使ってきた指輪をペンダントにして孫にプレゼントしたりと、「古くなってしまった、大切な記憶を宿した」ジュエリーを、今使える形でよみがえらせる。「ジェリーに込められた思いを引き継いで、また新たな形にするのが、コンセプトの1つ」としており、評判は上々。特に5、60歳代から人気だという。

 「金やプラチナの値段が上がってくるのと同時に、ジュエリーの買取店が増え、それに伴ってジュエリーを売るケースが、すごく目についたんですよ。そういった場合、金属部分は買い取ってもらえるけど、ジュエリーのメーンとなっている石の部分を買い取るところはほとんどない。石を捨てに行ってしまっている、そんな印象を受けました」と木戸さん。「けれども僕らは、それを生かせる手段を持っているし、その価値をしっかりお伝えできる。古いデザインのものも、その価値を知った上で有効に、込められた思いと一緒に、長く使っていただきたい」と願う。

 同店では、他店で購入したジュエリーの修理も受け付ける。また、同店で製作したジュエリーに関しては、「永久無料」でサイズ調整や磨き直しを行う。2人は、「気軽に、お店に立ち寄っていただければ」と呼びかけている。

 営業時間は午前10時から午後6時30分まで。火曜、第2、第3日曜定休。

 問い合わせは同店(TEL0256・64・7018)へ。

 2018年01月04日冬季特集号掲載