火焔土器、東京オリ・パラ聖火台に
縄文文化PR、メダルにも
遠藤副会長に要望 来年の東京オリンピック・パラリンピックに向け縄文文化を発信していこうと、新潟県の三条市、新潟市、長岡市、十日町市、津南町で組織する信濃川火焔街道連携協議会(会長・上村憲司津南町長)は平成26年から同オリンピック・パラリンピックの聖火台に火焔型縄文土器を採用するよう関係機関に働きかける運動を行っている。

 同協議会や縄文都市連絡協議会(会長・小野寺晃彦青森市長)などで構成する縄文文化発信サポーターズ(会長・小林達雄國學院大學名誉教授)として、公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織員会副会長の遠藤利明代議士に要望書も提出した。

2014年のアピール宣言 火焔型土器はほぼ新潟県域にしかなく、信濃川流域が「本場」とされる。オリンピックまであと931日、採用なるか―。

 「日本固有の文化として誇るべき縄文文化を世界へ発信し、その代表として火焔土器を発信する」―。

 信濃川火焔街道連携協議会が縄文文化を象徴する火焔型土器を東京オリンピック・パラリンピックの聖火台のモチーフに採用されるよう活動を開始したのは2014年7月。諸橋轍次記念館で開いた総会で、アピール宣言も行い、同年11月には縄文文化発信サポーターズ顧問で俳優・映画監督の津川雅彦さんと小林会長が東京都内でトークショーも行った。

 火焔街道協議会を構成する三条市、新潟市、長岡市、十日町市、津南町が申請した「『なんだ、コレは!』信濃川流域の火焔型土器と雪国の文化」は2016年4月、文化庁が認定する「日本遺産(JAPAN Heritage)」に県内初認定された。「なんだ、コレは!」は、火焔型土器の美しさを最初に発見したという芸術家・岡本太郎が火焔型土器を見て叫んだとされ、「縄文土器の荒々しい、不協和な形態、紋様に心構えなしにふれると、誰でもドキッとする。なかんずく爛熟した中期の土器の凄まじさは言語を絶するのである」と評している。

 縄文文化発信サポーターズでも、遠藤五輪組織委員会副会長への要望書で、「縄文時代は、日本独自の文化を育むとともに、1万年以上にわたり、自然との共存や侵略戦争のない平和な暮らしなど、現代においても注目すべき社会を形成していた。次代を担う子どもたちや、国内外の人々に縄文文化の素晴らしさが認知されるよう、東京オリンピック・パラリンピックをはじめ、あらゆる場面において、普及・啓発がはかられるように」と、縄文文化の普及啓発を強く求めている。

 「日本文化発信のシンボル」としてオリンピックスタジアムの聖火台デザインへの採用に加え、開会式の衣装や装飾、さらには金、銀、銅のメダルにも土偶などの「縄文デザイン」を施すなど、大会を通じて縄文文化発信の機会を、と要望した。

 昨年11月7日の要望活動では、縄文文化発信サポーターズの小林会長、磯田達伸長岡市長、上村津南町長、関口芳史十日町市長、佐藤雅一魚沼市長、森富広山形県舟形町長、須藤秀忠静岡県富士宮市長、中野力新潟市文化スポーツ部長、渡辺健三条市市民部長が出席し、遠藤副会長に要望書を手渡した。遠藤副会長は「五輪は日本文化を発信する絶好の機会。日本全体の財産として検討したい」と答えたとされ、有意義な情報ももたらされた。

 火焔型土器は、十日町市笹山遺跡出土の「縄文雪炎(ゆきほむら)」が装飾されたものが国宝となっている。火焔型土器が最初に発見された長岡市の馬高遺跡、津南町の堂平遺跡、沖ノ原遺跡、三条市でも長野遺跡、吉野屋遺跡から出土している。新潟市では大沢遺跡から火焔型土器の一部が出土、完全なかたちのものは発見されていないものの、同市陸上競技場には、1順目の新潟国体で設置された火焔型土器の聖火台が設置されているなど、東京オリンピック・パラリンピックの聖火台に火焔型土器が採用されれば、各市町に対する注目度も高まりそうだ。

 火焔型土器をはじめ縄文時代の遺物を常設展示する資料館は、新潟市歴史博物館、同市文化財センター、史跡古津畑山遺跡 弥生の丘展示館、三条市歴史民俗産業資料館、同市下田郷資料館、長岡市馬高縄文館、同市立科学博物館、県立歴史博物館、同市三島郷土資料館、十日町市博物館、松之山郷民俗資料館、農と縄文の体験実習館なじょもん、津南町歴史民俗資料館などで、「文化遺産カード」を配布する施設もある。

 3月4日(日)には新潟、長岡、三条、十日町の各会場で縄文文化や火焔型土器をテーマにした検定「縄文学検定」も実施される。申し込みは2月9日(金)まで。三条会場は三条市立図書館で、申し込み、問い合わせは三条市市民部生涯学習課埋蔵文化財調査室(рO256・46・5205)へ。    
                                              (外山)

 2018年01月04日冬季特集号掲載