農と観一体的に、村の起爆剤になるか
おもてなし広場 3月グランドオープン
直売所に加え、フードコート、チャレンジショップ等新たに
 新潟県弥彦村弥彦、旧弥彦グランドホテル跡地に3月、おもてなし広場がグランドオープンする。先行して昨年3月にオープンした農産物直売所「やひこ」に加え、フードコート、農産物加工施設、喫茶店、そば打ち道場、チャレンジショップ、足湯などを備える。

 国の地方創生加速化交付金、同じく地方創生拠点整備交付金を活用し、小林豊彦村長の肝入りで整備を進めてきた。これまで弥彦村の懸案事項だった観光と農業の、村の主要産業の一体的な振興を図ることが期待されている施設。農産物直売所「やひこ」は、オープンして1年にも満たないが、着実な成果も挙げており、今後は、他施設との連携でさらなる相乗効果も期待される。

 運営は民間活力の活用の観点から弥彦観光協会に無所貸与、あるいは委託して行う計画で、施設で上がった利益は弥彦の観光振興に充てるなど、ソフト面でも弥彦の観光拠点としての役割を果たす。

 おもてなし広場の中核を担うのは、先行してオープンした農産物直売所「やひこ」。弥彦村の農産物を中心に、近隣の農家が育てた農産物、あるいは、一昨年11月に弥彦村で開催した博覧会で交流を深めた県内他自治体の特産品、すでに名物となっている「弥彦の塩(えん)むすび」などの軽食も販売している。

 オープンから昨年9月までの半年間の売上はおよそ3000万円、レジ通過者は3万3000人だった。4月、5月はオープン需要と春の観光シーズンが重なり、多くの利用があったが、6月以降は落ち着き、月の売上は300万円から400万円で推移している。

 3000万円の売上のうち、弥彦村の野菜の売上が550万円、飲食メニューが300万円、加工品など弥彦村の産品が200万円で弥彦村産のみの商品売上で1000万円を超える。観光と農業の一体的な振興は確実に展開されており、担当者も「弥彦村に新たな経済効果が生まれている」と手応えを口にする。

 この農産物直売所との相乗効果が期待されるのが、現在、建設中のフードコート。92・65平方メートルと十分な休憩スペースを設け、提供するのは、こだわりのうどん。農産物直売所でも特産品を販売している粟島浦村のあごだしと、弥彦村と友好都市を結んでいる「こんぴら」で有名な香川県琴平町の讃岐うどんのコラボメニュー。今年も3が日には大勢の参拝客が彌彦神社に訪れたが、讃岐では年明けに縁起を担いで食べる「年明けうどん」の普及に力を入れており、来年からは彌彦神社に参って、おもてなし広場で「年明けうどん」が定番になるかもしれない。

 ほかに、フードコート内にはチャレンジキッチンを設け、将来的に、温泉街や駅前などへの出店をうながすコーナーも設けている。農産物直売所で軽食を買って、フードコートで食べることもでき、駅前、弥彦公園前の休憩スペースとしての役割も果たす。

 農産物加工施設には、食肉加工室、野菜加工室、パン・ピザの加工室の3施設を備える。前述のフードコートも含めて、テナントはすでに公募しており、運営する観光協会との協議の中で今月中旬に決定することになるが、中でも期待が大きいのがパン・ピザ加工室。農産物直売所は、弥彦村では初の施設だったが、村内には本格的なパン屋も少ないと言う。食肉加工室、野菜加工室などでは弥彦村の野菜の加工、あるいは、弥彦村名物のイカメンチの調理などの考えもあり、農産物直売所などで販売することも視野に入れている。

 もう1つ、村内に少ないというのが喫茶店。温泉街のホテルや旅館では、宿泊客以外でもロビーでコーヒーを飲んだりすることは可能だが、敷居が高いのが現実。以前は、おもてなし広場向かいの多目的施設ヤホールで、コーヒーなどを提供していたことがあったが、観光シーズンには、観光客の休憩スペースとして重宝され、観光シーズン以外でも地域住民のよりどころとなっていた。おもてなし広場の喫茶店も、観光客がちょっと一服できる場、新たな交流の場となることが期待される。

 チャレンジショップは、施設内を4区画に分けて貸し出す。手づくり雑貨などはもちろん、「土産店」とはなっているが、マッサージやエステなど、さまざまなサービス業に対応する考え。飲食に関する店は、フードコート内のチャレンジキッチン、飲食以外は、土産店のチャレンジショップという区別で、やはり、将来的には、温泉街や駅前など、村内での開業を促す。

 そば打ち道場も含め、これらの施設は、雁木でつないで、雨や雪の日でも濡れずに移動することが可能。もともと弥彦グランドホテルが立っていた場所ということもあり、温泉管もつながっていて、源泉かけ流しの足湯も設置し、人気を集めそうだ。施設と雁木で囲まれた場所は、通常時は駐車場として利用するが、多目的広場としてイベント会場としても利用する。

 農産物直売所の裏手にはギフト・配送センターも建設中で、ふるさと納税の返礼品の展示ホールを設けるほか、冷凍、冷蔵設備を備えた配送の受付場所として当面は利用する。

 春の観光シーズンを前にオープンするおもてなし広場には、弥彦観光の起爆剤としての役割が期待される。  
                                              (石山)

 2018年01月04日冬季特集号掲載