且R忠
「足の健康専門店」として
60周年迎え、直営店リニューアル
 ことし9月で創業60周年を迎えた新潟県加茂市下条、且R忠(中林功一社長)は同月、本社敷地内の直営店「くつした堂」を、「足の健康専門店 山忠SHOP」としてリニューアルオープンさせた。“足のコンシェルジュ”たちが店頭に立ち、予防科学がコンセプトのオリジナルソックスブランド「ケアソク」シリーズをはじめとする商品販売、月に1度のペースで行う足の計測会などを通じて、「足からの健康」をテーマに基づいたサービスを提供。個々のニーズに応えるよう目指す。

 新たな直営店を、「『靴下を媒介として健康を売る』という課題に、正面から向き合えるお店」と位置付ける中林社長。同社の原点である靴下の可能性を、顧客に寄り添いながら追求していく。
    
 同社の創業は昭和33年。創業者らがたった1台の靴下編み機で靴下を作り、それを売り歩くところからスタートした。「靴下から始まって、お客様に出会い、信用をいただき、そこから品質の良い肌着、衣料品にも入っていった。60周年、企業還暦を迎えるに当たり、『次はどうしていったらよいのか』、『どうあるべきなのか』と、何年も前から悩んでいました」と中林社長。そのように思いを巡らせていく中で、「もう1度原点に戻って、靴下」、「靴下の真の顧客は、足」、「『お客さん=足』について、もっとよく理解しなければ」という考えに至り、専門家を交えて、本格的な足の研究会が始まったという。

 本来人間の足底部分は「内側縦」、「横」、「外側縦」の3つのアーチで形成されている。それが全身をバランスよく支えたり、歩行時の衝撃を和らげたり、血液の循環を促す役割を果たしたりと、身体の大切な土台として機能しているが、「足が健康」な状態の現代人は少ない。アーチが崩れることで外反母趾や内反小趾、5本の指がしっかり接地しない「浮き指」などさまざまなトラブルを引き起こし、膝や腰にまで影響を及ぼすという。

 中林社長は、「また靴下に戻ってきたとしても、同じ立ち位置で戻ってくるのなら意味がない。やはり、何らかの形で上に、高みに行かないと。そのためにもやはり、これからはヘルスケア。予防科学の考え方で、きっちりとデータを取ることだと思いました。(靴下を)履いた感想だとか、そういうものだけで売るのではなく、ちゃんとしたエビデンスを取ることが必要」と話す。

 そのような方向性で取り組みを進めていく中で、足と靴の第一人者として知られる新潟医療福祉大学の阿部薫教授や済生会川口総合病院の高山かおる医師ら足の専門家との縁に恵まれた。「ケアソク」シリーズは、「ととのえる」、「うるおす」、「あたためる」の3タイプに分かれ、それぞれのアプローチで足の健康を増進する。

 このうち「ととのえる」では、つま先の中を5本指に仕切る構造で重心バランスを整え、独自のクッションでかかとから関節や筋肉に伝わる衝撃を大幅に軽減し、横アーチのサポート機能でひろがった足幅を補正する。靴下を毎日履いて歩く、という日常的な行為を続けていくうちに、自然と足の健康寿命を伸ばすことに貢献できる靴下だ。

 「我々は、『靴下を媒介として健康を売る』ということをずっと考えて、やってきています。そうやって、足にいい靴下が生まれてきた。お店でも、単に商品を売るのではなく、それを通して生活がより快適に、健康になれるような提案をしたい。そういう思いはずっと持っていたが、なかなか切り口が見つからなかった」と中林社長。「足の研究会を始めることで、皆が資格を持ったりして、足にどんどん関心が向いていった。そんな中で図らずも、『お店を直そう』ということになり、スタッフがお客様の不満を聞きだしたり、行動分析したりと、『足の健康をどう提案しよう』とやっていくうちに、自然と 『足の健康専門店』、足のコンシェルジュのいる店というコンセプトができ上がってきました」と、リニューアルの経緯を語る。

 新しい直営店は、入店してすぐに、「足の悩み別」に商品をレイアウトした売り場が目に飛び込んでくる。リニューアルして間もないが、足についてお客の方から相談を持ちかけてくることが多いという。足の計測会では、1人ひとりの足の状態に応じた商品、または改善のための歩行やストレッチなども指導する。中林社長は、「『足から、靴下からの健康づくり』という考えがある人は、まだまだ少ない。今後は、そのような意識付けも図っていければ」と話していた。

 直営店の営業時間は、午前9時から午後6時まで。日曜、祝日定休。

 問い合わせは、同社お客様相談室(рO120・83・0500)へ。         (山口)



 2018年10月25日秋季特集号掲載