店長・金子さんは全国、そして世界に挑戦
ジェラートマエストロ≠ェ3人
鰍rKMのジェラート店「Gelateria COCO」
 新潟県のJAにいがた南蒲の農産物直売所ただいまーと内のジェラート店「Gelateria COCO(ジェラテリア・ココ)」から、日本ジェラート協会認定の「ジェラートマエストロ」試験の合格者が生まれた。合格したのは、ジェラテリア・ココを運営する鰍rKM社長の佐久間康之さんと、ジェラテリア・ココ店長の金子瑞樹さん、同店スタッフ飯浜智恵子さんの3人。新潟県内からの合格者は初めてで、同一店舗からの3人同時合格も史上初の快挙だといい、佐久間さんは「本当にうれしい。名誉なこと」と胸を張る。

 同店のジェラート製造を担う金子さんは、今回の受験を通じて創作の幅が広がったといい、「いろいろな組み合わせを、パッと思いつくようになった」と話す。自身の成長を店舗に、顧客に還元していくのはもちろん、来年はジェラートマエストロのみが出場できる全国大会を目指すとともに、イタリア・リミニで開かれるジェラートや菓子、パン、コーヒー関連の国際展示会「SIGEP(シジェップ)」のジェラートコンテストに挑む。

 ジェラートマエストロは、日本ジェラート協会が2011年度から導入した認定制度で、「正しい知識を持って、安全で安心な、美味しいジェラートを提供する」ことが目的。衛生・製造・販売について正しい知識を持ち、一定の講習や試験をクリアした人にジェラートマエストロの称号を与えることで、店舗およびその地域の活性化、さらには業界全体の地位向上を図っている。

 試験はペーパーテストで、ジェラートの歴史や各種素材の成分、糖度など専門的な知識・教養が求められる。3人は個人・店舗のレベルアップを図ろうと受験を決め、業務の合間を縫って勉強に励み、ことし6月に受験、7月付で合格した。佐久間さんは、3人全員合格を喜びつつ、「(試験には)当然ですが同業者がいっぱい来ていました。そういう中で頑張りとか、ライバル心を共有できるというのも、良いこと」と振り返る。晴れてジェラートマエストロを取得したことで、「周囲からの目も、変わってきたように感じます」。

 金子さんにとって今回の受験は、「改めて、初心に戻る機会にもなった」といい、「今回勉強したことが、普段の仕事に生きています。それ以前と比べて、より複雑な組み合わせを考えられるようになった。知識と経験が、うまくかみ合ってきているように感じます」と、手応えを口にする。

 同店では今夏、8月27日の「ジェラートの日」に向けて「お客様と一緒にできることを」と、来店客からジェラートのアイデアを募集した。応募者の中には、カレー研究家としてメディアでも活躍中の一条もんこさんもおり、そのアイデアを採用してカレー味のジェラートを開発・商品化して、期間限定で販売した。

 あめ色玉ねぎやスパイスを使って本格的なカレーを表現し、「一条さんが、『今まで食べたカレー味のスイーツの中で、1番カレーっぽかった』と言ってくださって、本当にうれしかった。カレー味のジェラートは、自分の中にはなかった発想で、だからこそ挑戦しようと思った。今までよりもいろいろなジャンルに挑戦できているし、今後もいろいろな食材にチャレンジしていきたい」とする。

 また、今秋のジェラートとして同店が特にオススメするのが、「いちじくの赤ワイン煮」と「キャラメルパンプキン」の2種類。いずれも秋の味覚を存分に生かした、リッチな大人のジェラートに仕上がっている。

 金子さんにとって、今回のジェラートマエストロ取得は通過点。「ジェラートマエストロの人たちしか出られない全国大会があることを知ってから、『絶対に出たい』と思っていました。そのコンテストに出たいがために、試験を受けたような部分もあります」と話す。

 ジェラートマエストロコンテストでは、共通のテーマに沿って作ったオリジナルジェラートの「味」、「プレゼン内容」、「ビジュアル」、「テーマ性(感性・オリジナル性)、」「夢(幸福感・楽しさ・未来への可能性)」の5項目を評価基準に、業界の識者たちが審査する。金子さんは今後、これらのポイントを念頭に試行錯誤を重ねていく一方で、ジェラートの本場・イタリアで開かれる世界最大級のコンテストも見据えている。

 「これまで目標にしていたジェラートマエストロを取れたので、次はコンテストで、自分の実力を試したいし、出るからには、やっぱり上位を取りたい。それに、イタリアに行っていろいろと吸収して、レベルアップしたいという気持ちがすごくある。常に勉強だと思っています」と金子さん。着々とステップアップしている中で、個人としてのさらなる成長を誓うとともに、「ジェラテリア・ココを、もっと有名にしたい」と、抱負を語る。

 佐久間さんは、金子さんのコンテスト出場について、「この間の試験は筆記で、今度のコンテストは言わば実技。ジェラート屋をやっていて、全国に、そして世界に挑める環境に出会えたことがうれしい」と喜び、大きな期待を寄せている。         (山口)



 2018年10月25日秋季特集号掲載