裏方として大活躍
「下町ロケット」、「瞽女(GOZE)」
燕三条フィルムコミッション
 新潟県燕三条地域の自然や街並み、施設、人材などの資源を活用し、映画やテレビドラマなどのロケーション撮影を誘致、サポートし、地域の活性化につなげようと2009年に発足した燕三条フィルムコミッションが昨年4月から活動を再開した。

 山崎悦次前会長が、4期8年で会長を辞任したことを受け、昨年、吉田織物鰍フ齋藤謙一社長が新たに会長に就任し執行部を一新。2015年に燕三条青年会議所が制作した映画「ともに担げば」に参加したメンバーを中心に組織化した。

 ことしは、現在、BSNで毎週日曜午後9時に放送中のTBS日曜劇場「下町ロケット」のロケが燕市で断続的に行われており、同コミッションのメンバーが行政や地元と制作スタッフの調整や仲介に奔走している。また、今後は、三条市の名誉市民であり「最後の瞽女(ごぜ)」とされる小林ハルさんをモデルとした2020年公開予定の映画「瞽女(GOZE)」のロケが三条市下田地区などで行われる予定で、すでにロケハンに同行するなど、再始動後は順調に大きな仕事をこなしている。

 今回、2つのビッグプロジェクトで忙しいさなかに、燕三条エフエム事務所で行われた役員会を訪れ、現在の状況や今後の目標など齋藤会長と、大橋和明副会長、石黒良行副会長らの話を聞いた。   
 
 今回、同フィルムコミッションは、10月3日と4日の2日間、燕三条地場産センターで開催された「燕三条トレードショウ2018」に出展した。パネル展示で、両プロジェクトを紹介したほか、下町ロケットと燕市のコラボ商品であるオリジナルパッケージの飛燕米を紹介。齋藤会長は「みなさん、足を止めて見て行った。これはとても良かった」と手応えを語る。大きなプロジェクトを獲得したことで、地域の注目度も高まっている印象がある。

 現在進めている2つのプロジェクトのうち、2020年公開予定「瞽女(GOZE)」については、制作側がかねてより希望していた撮影現場のロケーション・ハンティング(ロケハン・ロケ地探し)が9月に行われ、監督やディレクターのほか、三条市の担当者が参加。同コミッションからは石黒副会長らが同行した。主に下田地区などを巡っている。今後は、まだ公開予定まで先があり、春のシーンの撮影もあるために今後もロケハンが行われる可能性が高い。秋に予定したクランクインについては未定の部分が多いものの「実際の受け入れ態勢の構築など、今後は準備を始めていかなければ」と石黒副会長は話す。

 一方、「下町ロケット」については大橋副会長が担当しており、撮影スタッフとの連絡調整について、1次ロケの状況を報告し、野次馬対策への協力のほか、特にロケで重要なスタッフや出演者への食事などの取り組みを語り、弁当おかずの唐揚げが2日続いていないか気を使うことが必要なほど重要であると強調。地元農家の協力による炊き出し、現場でのラーメン店の出店、俳優の好む焼きイモや、ご当地グルメの「鶏肉のレモン和え」の提供などの経験を紹介。「今回、手探りでやりながら分かったことは今後も生かしていかないといけない。たとえば、現場にはトイレも必要になるけれど、製作者側からはギリギリまで(要望が)降りてこない」とし、今後はいつでも対応できるような組織化がカギであるとした。

 齋藤会長は、今後、特にこれからクランクインに入っていく「瞽女(GOZE)」について、「下町ロケット」のように、行政が全面に出ることの重要性を語り、「下町ロケットのネームバリューを考えて、はたして同じことができるかどうか」とし、「まずは足元の下町ロケットを支援しながら、今後は瞽女をしっかりやっていく」とし、「まずはメンバーの数を増やしていかないといけない」と熱弁する。「特に飲食店や電気屋さん、運送屋さんや土建屋さんなどの特技のあるところが大事です、将来的なメリットやクレジットされることもありますが、まずは気持ちの問題です」として、今回の下町ロケットでの地元農家の協力を挙げ、ホスピタリティーの精神の重要性を強調。今後は、各メンバーの人脈を通じて、ネットワークを構築していく必要性を強調。

 また、齋藤会長は「今後は大学や専門学校と連携していきたい」とし、とくにエキストラの動員などで重要であるとしたほか「我々はコミッションの仕事をしながら先進地のような文化を育てていくことも重要。花角(英世)県知事も力も入れているところで、今回の下町ロケットにも強い関心を持っていると聞く。とりあえずは足元の案件がある。これからは地道に活動していかなければいけない」とした。その上で、1つ1つの経験をデータベースとして蓄積しながら、この地域をよりよいロケ地として使ってもらえるために努力していくことを語った。                                  (細山)



 2018年10月25日秋季特集号掲載