㈲新津興器
ユニーク伝熱調理器具で「楽しい家庭のお手伝い」
すきやき御膳、そのままホットサンドetc.
 新潟県田上町中轌(なかずり)工業団地内に工場を構える新潟市秋葉区覚路津、㈲新津興器(大島甚一郎社長)は、昨年11月に発売した「Let‘sぱくぱくプチパンケーキメーカー」など、「楽しい家庭のお手伝い」の企業理念に沿ったユニークな家庭用伝熱調理器具を製造、カタログギフトや通販を中心に販売している。

 ブランド名の「HOME SWAN(ホームスワン)」には、「家で使うものを作っているので、ホッとしてもらいたい、落ち着いてもらいたいということで、新潟県は白鳥の飛来が全国1位という統計がありますが、白鳥が帰ってきてホッとするような場所、モノであれば」という思いを込めている。

 新津興器は1973年12月、塗装業として創業した。大手メーカーや燕三条地域のメーカーとも取引があり、業務用フライパンなどのフッ素樹脂塗装、耐熱塗装などを担ってきた。1987年には、それまでのノウハウを生かして自社での調理用品の製造販売を開始した。

 製造、販売するのは、プチパンケーキメーカーにも代表されるような家庭用伝熱調理機器。今でこそ家庭で使う電気たこ焼き器は普及してきたが、1980年代、当時はほとんどなかった固定型の電気たこ焼器も開発した。

 2007年には自社ブランドの「HOME SWAN」を立ち上げ、翌2008年から本格的にシリーズの販売を開始。現在では、ホットプレート、グリルパン、炊飯ジャー、トースタ ー、コーヒ ーメーカ ー、電気ケトル、さらには、企業 コンセプトの「楽しい家庭のお手伝い」の通り、食卓が楽しくなるような、たこ焼器やチョコフォンデュを楽しむ機器なども取り扱っている。

 こうしたユニークな家庭調理機器は、社員のアイデアによって生み出される。営業部課長の山岸光永さんは、「調理器具なので食品関連のところはよく見るようにしています。飲食店もそうですし、スーパー、デパ地下などで、何が売れているのか、売れてそうなのか、お客さんが足を止めているのは何なのか、売場面積が広がっているところはないか、逆に狭まっているところはないかは気にしています」と、常にアンテナを張り巡らせている。

 そうして生まれたアイデアをさらにブラッシュアップするため、社会情勢や統計などにもしっかりと裏打ちを取る。例えば、プチパンケーキメーカーは近年のカフェブーム、そして、ホットケーキミックスなど果糖プレミックスの総生産量が平成10年には2万5000トン余りだったものが、平成20年には3万6000トン、昨年も若干減ったものの3万トン以上が生産されていることも調査した。

 ここで、同社が販売しているユニークな家庭用伝熱調理機器をいくつか紹介する。
                                                (石山)

―すきやき御膳

 「少し贅沢(ぜいたく)な時間を食卓で」と開発した電気グリル鍋。2016年9月に発売した商品。当時、TPP妥結が大きく取り上げられ、今後、牛肉が安く購入できる可能性があると、牛肉をおいしく食べる調理器具として開発した。「少し贅沢」を感じさせる作りとして和膳をイメージし、家庭用家電ではあまり見られない四隅に脚を出したデザインにするなど遊び心も満載の商品。直径17センチの1人用の食べ切りサイズで、鍋は完全着脱式で丸洗いもでき、手入れも簡単。スイッチのオン、オフのみの簡単操作も魅力。

―そのままホットサンド

 それまでのホットサンドメーカーは、食パンの耳を切って作るものが主流だったが、「食パンの耳を切るのが面倒くさい」、「もったいない」といったユーザーの声に応えて開発した。食パンの耳を切る手間もなくなり、食パンと具材を乗せて焼くだけで手軽に調理できる。スリットをなくし、中心部を深くすることで、同社の従来機種と比べて30%多く具材を入れることを可能にし、ボリュームたっぷりな、SNS映えも狙った。逆に外側はしっかりと焼くことでカリッとした食感も楽しめる。1つずつ焼くタイプが多い中で、2つ一気に焼けるダブル式。今や、同社の売上ナンバー1商品となっている。

―アイスクリームメーカー

 伝熱調理機器が主力のため、暑い夏向けの商品をと開発し、昨年7月に発売した。250ミリリットル容量のポットで、冷凍庫の中でも邪魔にならずに食べ切りサイズのアイスが自宅で簡単に作れる。冷却ポットを8時間から12時間冷やしておけば、後は材料を入れ、スイッチオンで20分ほどで出来上がる。



 2019年1月4日冬季特集号掲載