子育てカフェ・高齢者サロン・こども食堂…
空き家活用し地域包括ケア
オープンハウスRAN南
 社会福祉法人恩賜財団済生会支部新潟県済生会の長和園福祉事業は、新潟県三条市西四日町三、旧池田医院を改装して地域包括ケアを行う拠点施設「オープンハウスRAN南」を開設。月・水・金曜日午前9時から午後4時まで「AOZORAカフェ(高齢者サロン)」、月1回の「こども食堂」、昨年12月にはAOZORAカフェと併設する「なでしこ子育てカフェ」をプレオープンした。子育てカフェはプレオープンの1月、2月の間は無料で利用できる。

 地域の要望を受けながら、子どもやその保護者、高齢者をはじめ「誰もが気軽に集う場所」としつつ、1人暮らしのお年寄りや、1人親世帯の孤立を防ぐ。空き家活用のモデルケースとも言えそうだ。

 社会福祉法人の法人理念に基づいた社会貢献活動「なでしこプラン」の拠点施設として開設しているもので、同法人が運営する、なでしこ青空保育園、西四日町デイサービスセンターに隣接している。

 平成29年12月に「AOZORAこども食堂」がプレオープンし、昨年4月に高齢者サロン「AOZORAカフェ」で正式に施設を開設。利用者数はこども食堂が述べ12回の開催で約720人、カフェが約1000人で、両事業とも当初の見込みよりも多くの人が利用しているという。昨年12月にプレオープンさせた「なでしこ子育てカフェ」は子育て家庭への支援、保護者間の交流や情報交換を目的とした事業の第3弾で、毎月、保育園の職員や元職員らが講座を開く予定。

 AOZORAカフェは、飲み物1杯とお菓子がついて100円の利用料で、原則65歳以上の人が対象。

 長和園福祉事業、特別養護老人ホーム長和園の木村善行統括施設長は「1人暮らしのお年寄りの中には、1日テレビを見て、誰とも話をしなかった。集まる場所がなく、いつも同じ家に遊びに行くのは気が引けるという方もいる。お茶飲みがてら外に出ていただき、介護予防につながること、さらにボランティアとして生きがいや、やりがいを感じる場にも」と、1人暮らしでなくとも、大勢のお年寄りにAOZORAサロンを利用してほしいとする。

 同時に開催する、なでしこ子育てカフェは原則として市内の未就学児と保護者が対象で、ゆるやかにお年寄りと子どもたち、その保護者が交流する。子どもたちや保護者が楽しんで来られるよう、保育園の関係者に加えてさまざまな分野の専門家を招いて子育て関連の講座を開く構想もある。

 「誰もが安心して住み続けることができる社会」が地域包括ケアの意味合いで、住民の誰もが訪れる雰囲気を作りながら、支援を必要とする人を孤立させることなく、必要な支援を受けられるよう配慮している。

 開設にあたり、地元自治会や民生・児童委員、ボランティアなどから施設に求める機能などのアイデアを出してもらっていて、今後は1人暮らしの高齢者などを対象にした「おとな食堂」、1人親家庭の子どもたちの学習を支援する「学習支援教室」の開催も検討している。

 月1回のこども食堂は午後6時から7時45分まで、子ども無料、保護者などは300円の利用料で、1月24日(木)、2月28日(木)は約70食を用意する予定。一般的にこども食堂は生活に困窮した世帯の子ども向けだが、そういったイメージはない。アンケート調査などでは「家族で一緒に夕食が食べられる機会」として利用する家庭もあり、時には行列ができることもあるという。夜の開催で保護者同伴での参加が前提だが、「さまざまな理由で孤食になる子どもがいるとしたら、1人でも来られて家庭を味わえるような雰囲気にできたら」と考える関係者もいる。

 長和園福祉事業は、南四日町三の小規模多機能居宅介護施設に、三条市地域包括支援センター(高齢者総合相談窓口)嵐南の機能も有していて、「各自治会と合わせて、通いの場を地域で立ち上げる支援ができれば、健康寿命を伸ばし、要介護者を減らすことにつなげられる」と木村施設長。

 また、1人親でなくとも孤立しやすい子育て世帯の人たちが情報交換したり、交流する「癒しの場」としても利用を呼びかける。

 駐車場は11台分を備えており、市内全域からの利用が可能。現在は1階部分のみの利用だが、2階部分の活用、展示や催しの場とするなど、木村施設長は「まずは地域包括ケアに地域のみんなが関わる意識を醸成し、ニーズを踏まえて、施設を運営しながらさらに有効な利用方法を探っていきたい」と、展望を話していた。

 問い合わせは長和園福祉事業(рO256・35・2131)へ。           (外山)


 2019年1月4日冬季特集号掲載